救急科

診療科・部門

救急科

救急外来受診に関してのお願い

  • 当院では、お子さんからお年寄りまで、また、疾患や怪我の分類や重症度に関わらず、救急医療を必要とする方を受け入れる体制を整えるために努力していますが、その時の状況においては、入院病床の混雑具合や専門医の不在などで受け入れが困難な場合もあります。その際は、他医療機関での受診などをお願いすることがあります。
  • 救急科という性質上、受診予約はできず、より重症度の高い患者さんから優先的に診療させていただくため、場合によっては来院されてから診察までにお時間をいただくことがあります。また、診察や検査の結果、緊急処置の必要がないと判断した場合には翌日以降に地域のクリニックや一般・専門外来への受診をお願いすることになります。
  • 救急外来はあくまでも急な病気や怪我の初期対応・応急処置を行わせていただく部門であるため、救急外来での診断書・証明書などの発行は、原則としてできません。診断書などが必要な方は、後日、各専門外来もしくはお近くのクリニックを受診していただくようお願いしております。
  • 病院の外で当院のドクターカーの緊急走行に遭遇した場合は、ご自身と周囲の安全を確認した上で道を譲っていただくなど、ご協力とご理解をよろしくお願い致します。

当科の概要

(ア)ご挨拶

私たち友愛医療センター救急科は、地域の皆さんの命を守る「セーフティーネット」として、主に急病や思わぬ怪我、一刻を争う対応が必要な重症疾患の患者さんの対応を行なっています。どんなときでも地域のみなさんに安心して受診していただけるよう、患者さんの立場になって考え、対応させていただきます。

また当院は、重篤な患者さんの診療をいち早く開始するためのドクターカー事業や災害対応にも力を入れており、日頃から各機関と密に連携し、地域のみなさんの日々の安全と安心を守る取り組みを行なっております。

いつどのような予期せぬ事態に見舞われたときでも、みなさんのそばに寄り添い、頼りにしていただける存在となるよう、スタッフ一同、日々精進しています。 なお当院では、私たちと一緒に地域の救急医療を担ってくれる人材を募集しています。詳細はこちらまで。 

救急科では、「地域の皆さんの命を守るセーフティーネット」としての使命を果たすべく、予期せぬ急病や怪我、一刻を争う対応が必要な重症疾患(心肺停止、急性心筋梗塞、脳卒中、重症外傷など)の患者さんの対応を主に行なっています。

救命のプロフェッショナルである救急科スタッフが、来院された皆さんの評価および初期対応を行い、適切な専門家へ繋げる役割を担っています。

本来であれば、どなたにとっても、救急外来を受診するような事態は自分やご家族、大切な方の身には起こってほしくないことです。ですが万が一そのようなことになっても、地域の皆さんが安心して受診していただけるよう、スタッフ一同対応させていただきます。

(イ)  診療体制

友愛医療センターのERは、日米の救急専門医資格を持つ山内素直部長を中心に医師2名、看護師36名(認定看護師2名)、救急救命士3名、専従薬剤師2名、PSW1名、看護助手2名、事務職1名が友愛ERチームとして診療活動にあたっています。

令和4年11月1日現在

救急救命士

人の役に立ちたいと思い、消防士を目指していましたが、当院の前身である豊見城中央病院での研修を通じて当院の医療活動に携わりたいと考えるようになり、学校を卒業した今年3月、当院の救急救命士になりました。

救急車の受け入れ時にはもちろん、ドクターカーにも同乗して現場に駆けつけて真っ先に患者さんに向き合い、チームとともにその後の治療にも携わることができるなど、ER所属の救命士であることに大変なやりがいを感じています。

当院のERは雰囲気がとても良く、職種間の垣根が全くありません。まだ入職したばかりの私でも本当に働きやすい、この恵まれた環境の中で救急救命士としてのスキルを磨き、将来はDMATの取得、ドクターカーのさらなる強化や救命士の育成、院内外でのBLS講習活動などにも取り組み、地域の救急救命に貢献していきたいと考えています。

専従薬剤師

救急外来に薬剤師が配属されているのは意外に思うかもしれません。救急外来では、重症から軽症まで多種多様な症例に対して、迅速かつ高度な医療の提供のためにも、多職種の協力は必要不可欠です。薬の専門家として、患者の病態が刻々と変化する中、治療薬の用法・用量や投与ルートの提案、中毒薬物への対応、抗菌薬の適正使用など、適切な薬物治療を提供できるよう積極的な介入を心掛けています。救急の現場では特殊な使い方の薬剤や高額な薬剤なども多く、医師や看護師からの質問も日常茶飯事です。救急の現場に常駐することで、患者さんへより質の高い医療を提供できていると考えています。

また、当院では優秀な救急医・スタッフが多数在籍しており職種の垣根もなくとても働きやすく充実した日々を送っています。日々勉強の毎日ですが、少しでも地域の医療に貢献できるよう頑張りたいと思います。

精神保健福祉士(PSW)

精神保健福祉士「Psychiatric Social Worker(PSW)」とは、精神的な医療やケア、社会復帰のためのサポートを必要とする患者さんの相談に応じて、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練などの支援を行う専門職です。

精神疾患を患っている方も隔てなく急性期医療を受けられるようサポートできればという思いで、友愛医療センターに精神保健福祉士(PSW)として入職しました。精神サポートチーム、認知症サポートチームのPSWとして活動し、患者と関わる上で救急外来を介して治療に繋がるケースも少なくなく、自分に必要な技術を求め救急認定ソーシャルワーカー(ESW)という資格を取得しました。現在は救急外来・病棟の担当し患者が帰宅後に安心した生活が遅れるようESWとしての経験を積ませてもらっています。

COVID-19が流行してからはDMATとして県コロナ対策本部やクラスター施設支援にも携わる機会が多く、災害医療の必要性を痛感しました。院内外に貢献できればと日々奮闘中です。

(ウ)設備

友愛医療センターERは新病院建設を機に大幅に施設・設備を増強し、様々な救急医療ニーズに応えられるよう努めています。 当院の屋上へリポートは面積が504平方メートル、重さは11トンにまで耐える構造で、海上保安庁や自衛隊の大型ヘリが着陸できる県内唯一の屋上へリポートとして、離島をはじめ県内外の患者さんの搬送のほか、数多くの発着陸訓練を実施しています。

  • 初療室と観察室説明
  • 救急外来専用診察室(6診)を設置し、内1室を陰圧室仕様の診察室とし、さらに感染初期診療の個室を1室設置するなど感染症対応を強化しています。
  • 救急病棟6床 個室2床を含む計8床を設置します。

(エ)診療実績

当科の取り組み

(ア)ドクターカーの活動

ドクターカーとは、緊急性が特に高い患者さんが発生した際に消防機関の要請を受け、医師や救急救命士からなる医療チームが現場へ急行して医療提供を行う医療サービスです。当院ではドクターカーを積極的に運用しており、那覇市を含む南部全域へ出動し、外科・内科・小児科など幅広く対応しています。

ドクターカー運用時に着用する活動服は、安全性を重視して難燃性の生地を採用。立体裁断によって高い活動性を確保しています。背中に職種の文字が入り、右腕に友愛ERオリジナルのロゴ、左胸には病院名と職種、氏名が明記されています。

V-CUBEとはドクターカー出動現場の状況を映像と音声によってリアルタイムに病院へ伝送し、双方向にコミュニケーションを図ることが可能なデバイスです。 現場の医師が見ている映像を病院にいる医師が確認することでリアルタイムに情報共有したり、処置に関する助言したりすることができ、病院搬送後のスムーズな医療提供につながります。

トランクに搭載された
医療機材
胸部・腹部エコー
患者の胸部、腹部を観測する
モニター
AED、血圧測定器も完備
救急バッグ
注射器、鎮痛剤、鎮静剤などを完備
GoPro
看護師・救急救命士が着用
し現場の振りのため行動を記録する
小児用バッグ
小児用の注射器、薬剤などを完備

(イ)  地域との連携

・救急ワークステーション(WS)

救急WSとは、医療機関内に設置する医療と消防の連携拠点であり、友愛医療センターは豊見城市消防本部と連携協定を締結して毎週水曜日に救急WSを運用しています。

消防は医療機関に救急車と共に3名の救急隊員を派遣し、派遣された救急隊員は、医師や看護師など医療従事者による指導の下、救急処置の実習や救命処置の補助などの講習を通じて医療技術の向上を図り、救命率の向上を目指します。消防が病院で実習している間に救急要請があった場合、救急車は医療機関から現地へ向かいます。その際、状況に応じて医師や看護師が救急車に同乗します。

豊見城市消防本部 消防士長 赤嶺 健太

友愛医療センターは、前身の豊見城中央病院の時代からフットワークが良くとても協力的な病院です。ドクターカーを要請すれば必ず来てくれて、現場で高度な処置を的確に行ってくれる安心感があります。おかげで豊見城の救命率は高まりました。

そして、新病院開設に際しては救急ワークステーションを設置し、私たちを院内に受け入れてくださった。医師を始め病院の方々から教えていただきたいことはたくさんあります。救急ワークステーションの運用を通じて、様々な教育研修を受けさせていただくことで、ALSを想定したBLSを的確に行えるようになるなど、病院と密接に連携した救急隊としてのスキルアップを図りたい。さらに、救急WSのある豊見城市西部地区は近年開発が進んで大規模な建築物が多く、この場所から私たちが救急出勤できることで、さらに多くの患者さんの命を救えるようになることを期待しています。

個人的には、チームの皆さんと食事など業務以外の交流を通じて信頼関係をさらに深められることも楽しみにしています。

・救難訓練 災害訓練

美ら島レスキュー

「美ら島レスキュー」とは、沖縄県内で想定される大規模地震及び津波に対応するため、沖縄全県規模で行われる大規模な災害訓練です。9回目となる昨年の訓練には友愛医療センターから救急救命士が参加し、那覇空港から当院屋上へリポートまで、ヘリによる救急搬送シミュレーションが行われました。

(詳しくはこちら)今回の訓練は「沖縄本島南東沖地震3連動」を想定し、震度5弱から6強、沖縄本島及び先島諸島に10m程度の津波が発生するシナリオを設定しておこなわれました。 この日は車両や航空機、ドローンを使って本島や離島を含む県内各地の被災情報の収集、被災した患者の緊急空輸、浄水の提供や支援物資の空輸などの訓練に、沖縄県をはじめとする県内14機関と陸上自衛隊第15旅団が参加しました。

内閣府による全国大規模地震時医療活動訓練

「大規模地震時医療活動訓練」とは、内閣府が主催する全国規模の総合防災訓練です。国や地方公共団体、災害拠点病院等が連携して、大規模地震発生時医療活動組織体制の機能と実行性の検証および防災関係機関の相互協力の円滑化を目的として実施されました。

今回の訓練は、最大震度7で、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県における甚大な被害の発生を想定して行われました。被災地内の医療機関等の参加はもちろん、被災地外の43都道府県から300を超えるDMATチームが参加しました。 当院のDMATチームは、静岡空港に設置されたSCU(Staging Care Unit/航空搬送拠点臨時医療施設)に割り当てられ、他のDMATチームと連携して、医師、看護師はSCUに搬送されてくる傷病者の治療を担当し、ロジは傷病者受け入れの連絡係と記録係を担当しました。

(ウ)  DMATの活動

友愛ERロゴマーク

平和・守護の象徴である盾をベースにデザイン

沈静・知性・安らぎを感じるブルーは沖縄の紺碧の空とエメラルドの海をイメージしたもので、左が昼、右が夜を表し、24時間見守ることを表現しています。また、水平線に用いた心電図はまさに沖縄の空と海のように穏やかなものであることを願いつつ、アクセントに添えたハイビスカスは、「ER」という一般の方から見ると緊 張感のあるものに安らぎを与えるものとなっています。

ドクターカーペーパークラフト

友愛医療センターのドクターカーをペーパークラフトで作ってみましょう!
リアリティのあるペーパークラフトなので子どもから大人まで一緒に作って楽しめます。
【お願い】はさみを使用しますので、小さなお子さんが作るときは、保護者の方も一緒に作ってください。

関連リンク

救急外来のご案内https://ymc.yuuai.or.jp/guide/outpatient/emergency/