当院について
2023年度「病院情報の公表」
年齢階級別退院患者数
| 年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
| 患者数 | 436 | 285 | 292 | 524 | 865 | 1356 | 2245 | 3050 | 2077 | 543 |
|---|
当院は地域医療支援病院の承認を受けており、他の医療機関や介護施設との連携を図ることにより地域に根差した医療の充実に努めております。また、沖縄県南部医療圏の高度急性期病院としての役割である救急医療の対応を担いながら、新型コロナウイルスについては沖縄県の現状を全国へ発信し続けてきました。
2022年度からは新たに手術支援ロボット「ダヴィンチ(da Vinci Xi)」を導入し、より精密で正確な手術が可能となりました。ダヴィンチ手術は低侵襲手術のため、患者さんの体への負担も軽減されます。腎・泌尿器外科で前立腺がん、腎臓がん・膀胱がん、消化器外科で直腸がんに対して手術を開始しました。2023年5月には心臓手術も可能となり、県内初となる僧帽弁閉鎖不全症に対して僧帽弁形成術を行い、さらに同年12月には婦人科にて手術を開始しております。
これからも、友愛医療センターは地域医療支援病院かつ高度急性期病院としての役割を十二分に担っていけるよう、継続して努めて参ります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
循環器内科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 050050xx0200xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患(経皮的冠動脈形成術等) | 213 | 4.56 | 4.26 | 0 | 70.86 | |
| 050050xx9910x0 | 狭心症、慢性虚血性心疾患(心臓カテーテル法による諸検査(検査入院)) | 197 | 3.11 | 3.05 | 0 | 67.88 | |
| 050070xx01x0xx | 頻脈性不整脈 | 190 | 4.21 | 4.57 | 0 | 65.47 | |
| 050050xx9920x0 | 狭心症、慢性虚血性心疾患(心臓カテーテル法による諸検査+血管内超音波検査等(検査入院)) | 137 | 3.07 | 3.25 | 0 | 68.44 | |
| 050130xx9900x0 | 心不全 | 72 | 12.19 | 17.38 | 5.56 | 84.71 |
上位を占めている狭心症は、冠動脈に狭窄を起こしてしまう病気で、胸部痛や息苦しさなどの症状が出現する状態をいいます。当院ではそれらの疾患に対して外来でのスクリーニング検査を行い、必要であれば入院で冠動脈造影検査を行い、異常がある場合は低侵襲的(身体の負担の少ない)手術治療または心臓血管外科へ外科的治療の紹介等も行っています。入院日数が短く、自宅退院が多いのが特徴です。
また、心筋梗塞・心不全などの急性期治療を24時間365日体制で循環器の専門医が対応しています。循環器内科医がICU(特定集中治療室)の当直を毎日担当し、12誘導伝送心電図システムにより救急隊と連携することで救命率を上げる体制を敷いています。それと同時に虚血性心疾患、弁膜症、心不全などの循環器疾患以外の閉塞性動脈硬化症、腎動脈狭窄などの全身動脈疾患に対しても幅広く対応・治療を行っています。
当院ではハートチームとして医師や看護師の他、薬剤師や臨床工学技士、リハビリスタッフなど多職種がチームとなり、患者さんお一人おひとりに合った治療を提供するようにしています。患者さんのご希望も考慮し、どのような治療法にでも対応できる技術と機器をそろえているのが当院の強みです。入院だけではなく退院後の心臓リハビリテーション外来もあり、看護師による生活指導、管理栄養士の栄養指導、理学療法士・健康運動指導士による運動療法などにも対応しております。
消化器内科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎(副傷病名なし) | 249 | 6.27 | 8.75 | 4.82 | 74.70 | |
| 060102xx99xxxx | 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 | 72 | 6.56 | 7.58 | 0 | 63.35 | |
| 060340xx03x01x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎(副傷病名あり) | 57 | 14.18 | 16.81 | 5.26 | 80.25 | |
| 060035xx04xxxx | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 | 49 | 6.80 | 6.45 | 0 | 66.43 | |
| 060140xx97x0xx | 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) | 47 | 8.98 | 10.92 | 8.51 | 74.94 |
胆管に石が出来ることを胆管結石症といいます。その石や腫瘍などで胆管がふさがれてしまうと、脂肪の消化を助けてくれる胆汁の流れが悪くなり、炎症や細菌感染を起こしてしまいます。その状態を胆管炎といいます。胆管炎は重症化するとショック状態や他臓器不全(心臓・肺・肝臓・腎臓などが十分に機能しない状態)となり、生命を脅かす状態になります。当院では、その状態を避けるため胆管結石に対して内視鏡的治療(結石除去やステント留置など)を行っています。
また、地域の消化器疾患を専門とした施設と協力して、大腸がん(結腸・直腸)の内視鏡検査(大腸カメラ)を多く実施しており、当院で実施しているがんに対する検査の中でも、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は最も多い検査件数となっております。また、当法人附属の健康管理センターと協同で、消化器がん領域の発見・治療に精力的に取り組んでいます。夜間・休日の内視鏡センター緊急稼働回数は年間160~180回となっており、沖縄県南部エリアの消化器内科救急を担い地域医療に貢献しています。
呼吸器内科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 040110xxxxx0xx | 間質性肺炎 | 41 | 22.24 | 18.65 | 24.39 | 75.41 | |
| 040100xxxxx00x | 喘息(副傷病名なし) | 29 | 6.66 | 6.37 | 0 | 55.21 | |
| 040120xx99000x | 慢性閉塞性肺疾患 | 28 | 10.61 | 13.70 | 3.57 | 68.43 | |
| 040100xxxxx01x | 喘息(副傷病名あり) | 17 | 10.82 | 10.77 | 0 | 64.53 | |
| 040040xx9900xx | 肺の悪性腫瘍 | 15 | 17.47 | 13.59 | 33.33 | 70.87 |
間質性肺炎とは肺の間質と呼ばれる部分に起こるさまざまな病気の総称です。進行性の場合には肺がだんだん硬くなり呼吸機能が低下してしまいます。その原因は多岐にわたるため診断や治療は非常に難しく、呼吸器内科医の専門的な知識が必要となります。当科では間質性肺炎の線維化の治療(抗線維化薬)、難治性や重症喘息患者さんへの生物学的製剤による治療など様々な疾患に対する治療を行っています。喘息とは、乳幼児期に発生することが多く、空気の通り道(気道)が炎症などで長い間炎症を繰り返すことで狭くなり、呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーといった音が聞こえる喘鳴(ぜんめい)や胸の苦しさなどが生じる病気です。
肺がん治療では近年、飛躍的に進歩している進行肺がんの遺伝子パネル検査による診断や分子標的薬(がん細胞の発生や増殖に関わる特定の遺伝子のみを攻撃する治療薬)、免疫チェックポイント阻害薬(がん細胞を攻撃する免疫細胞の活性化にブレーキをかけないようにするための薬)などの内科的治療を当科でも積極的に導入し素晴らしい治療成果を得ています。
また専門医をはじめとして看護師、呼吸療法士、理学療法士、薬剤師、栄養師、がん専門看護師等とのチーム医療により専門的かつ高度な呼吸器疾患診療を地域の患者さんに提供しています。今後も研究成果に基づく最新最良の標準的治療を患者さんへお届けできるようにしていきます。
腎臓内科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 | 59 | 10.05 | 13.52 | 5.08 | 64.24 | |
| 110280xx991xxx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(腎生検あり) | 38 | 4.50 | 6.44 | 0 | 48.37 | |
| 110280xx02x00x | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(手術あり・副傷病なし) | 36 | 9.83 | 7.57 | 5.56 | 70.19 | |
| 110280xx9900xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(手術なし) | 28 | 7.32 | 11.49 | 7.14 | 57.89 | |
| 110280xx9902xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(腹膜灌流あり) | 26 | 14.92 | 8.09 | 7.69 | 61.19 |
当科では各医師がそれぞれの得意分野を生かして、腎臓病専門外来、腎移植、腹膜透析、バスキュラーアクセス手術など腎臓内科領域の幅広い診療をチーム一丸で行っています。腎機能障害が進行し腎不全に至るのが免れない場合、適切な時期に腎代替療法として血液透析・腹膜透析・腎移植の3つの治療選択について患者さんへ説明しており、安心してご病気と向き合い治療を選択できるよう多職種でサポートしております。
また、糖尿病による慢性腎臓病の治療においては、合併症として多く見られる高血圧や脂質異常症の治療や食事療法、運動療法などの生活習慣改善により病状の進行を抑えることが大切であるため、多職種が各専門的観点から患者さんに関わっています。さらに、腎臓病を中心とした地域の医療に貢献できる医師の育成にも力を入れています。
友愛医療センターは臓器移植を推進しており、2023年は腎移植患者向けの説明会やオリジナルドラマ撮影への協力、病院の建物をグリーンライトで点灯を行い臓器移植についての啓蒙活動にも取り組んでおります。
リウマチ膠原病内科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 | 25 | 9.44 | 13.52 | 12.00 | 79.12 | |
| 070560xx99x00x | 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 | 21 | 17.71 | 14.23 | 0 | 45.14 | |
| 010060×2990401 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) | 16 | 8.94 | 15.70 | 6.25 | 69.31 | |
| 180010x0xxx0xx | 敗血症(1歳以上) | 13 | 15.62 | 20.03 | 7.69 | 84.46 | |
| 0400801299×000 | 肺炎等(市中肺炎かつ15歳以上65歳未満) | 12 | 8.33 | 8.72 | 0 | 47.67 |
当科では、全身の自己免疫疾患である膠原病(全身性エリテマトーデス・皮膚筋炎・多発性筋炎・全身性強皮症など)や関節リウマチの診療を行っており、日本リウマチ学会リウマチ指導医・専門医やリウマチ財団認定看護師、リウマチ財団認定薬剤師など多職種によるチーム医療を実践しております。患者さんの症状を改善し、できる限り通常の日常生活やライフイベントを送っていただくことを目標に、それぞれの患者さんに応じた治療提供をさせていただいております。県内外の医療機関、かかりつけの先生からリウマチ膠原病専門医療機関の専門医に至るまで、様々な医療機関から多くの患者さんを受け入れています。
糖尿病内科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 100040xxxxx00x | 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 | 16 | 9.56 | 13.15 | 12.50 | 52.44 | |
| 110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 | 15 | 12.13 | 13.52 | 0 | 76.53 | |
| 040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 | – | – | 20.60 | – | – | |
| 100393xx99xxxx | その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 | – | – | 10.25 | – | – | |
| 100210xxxxxxxx | 低血糖症 | – | – | 6.80 | – | – |
糖尿病とは、血糖値を一定の範囲におさめる働きをするインスリンの分泌不全と作用不足により慢性的に高血糖が持続する病気です。他診療科疾患と糖尿病・内分泌疾患を合併している患者さんを当院にて併診して治療を行っており、糖尿病・内分泌疾患が主な患者さんは当法人内の豊見城中央病院:生活習慣病センターと連携して、地域の糖尿病及び内分泌疾患の診断と治療をしております。当科では「健康人と変わらないQOL(生活の質)を保ち、健康人と変わらない寿命を全うすること」を治療目的とし、食事や運動療法を第一に、内服薬、インスリン治療などで血糖コントロールを行い糖尿病の合併症予防に取り組んでおります。
- 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。
小児科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 040090xxxxxxxx | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) | 55 | 5.29 | 5.96 | 3.64 | 0.67 | |
| 080270xxxx1xxx | 食物アレルギー | 44 | 1.00 | 2.12 | 0 | 2.52 | |
| 040100xxxxx00x | 喘息 | 43 | 5.35 | 6.37 | 0 | 2.93 | |
| 140010x299x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) | 26 | 7.73 | 11.01 | 0 | 0.00 | |
| 0400801199x00x | 肺炎等(1歳以上15歳未満) | 19 | 5.11 | 5.62 | 0 | 2.00 |
小児医療では喘息や食物アレルギー、アトピー性皮膚炎を中心としたアレルギー疾患が増加傾向にあります。当科にはアレルギー専門医、アレルギーエデュケーター(PAE)という資格を持った看護師と薬剤師が在籍しており、外来や入院での食物負荷試験や喘息治療の吸入指導も積極的に行っております。また、産婦人科と連携して35週以上の新生児を中心に管理しており、当院で生まれた赤ちゃんの1ヶ月検診や予防接種なども行っております。
2022年度からは平日の日中(8:30~17:30)、救急搬送やドクターカーの出動を行っています。現場ですぐに処置が必要なアナフィラキシーや痙攣持続などの場合、民間救急車とは別に当院専用ドクターカーで現場に医師を派遣します。小児科医の同乗が困難な場合は救急医同乗で現場に出向き、ビデオ通話することで小児科医と現場状況を共有可能な環境を整備しています。
外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) | 85 | 4.21 | 4.55 | 0 | 64.54 | |
| 060330xx02xxxx | 胆嚢疾患(胆嚢結石など) | 76 | 5.05 | 5.98 | 0 | 54.04 | |
| 060035xx010x0x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 | 57 | 13.95 | 15.12 | 7.02 | 68.75 | |
| 060335xx02000x | 胆嚢炎等 | 49 | 6.31 | 6.87 | 4.08 | 60.63 | |
| 060210xx99000x | ヘルニアの記載のない腸閉塞 | 47 | 7.87 | 8.95 | 0 | 68.68 |
当科では、消化器(大腸、胃、肝臓、膵臓の診療グループ)・呼吸器・乳腺・移植など専門領域別に習熟した治療体制を基本としながらも、専門領域の垣根を越えて診断や治療について情報交換し、患者さんお一人おひとりに安全で適切な手術治療を提供できるよう努めています。がんに対する手術では、可能な限り臓器の正常機能を温存し体にやさしい低侵襲手術(鏡視下手術・ロボット支援下手術)を選択し、がん組織を残さず根治する手術を行うことを心がけ薬物療法も数多く実施しています。
また、乳がんの治療に伴い乳房を喪失した患者を対象に、より良い治療法を提供できるよう2023年5月に「乳房再建外来」を開設し形成外科と連携をとりながら患者の生活の質(QOL)向上に取り組んでいます。
さらに、胆石や虫垂炎、成人の鼠径ヘルニアなどの良性疾患に対しても身体的負担の少ない腹腔鏡下手術などを積極的に施行しています。手術前後の管理については、医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、社会福祉士など多くのスタッフと連携しながら行っております。 これからも患者さんにとってより良い治療を行うために、チーム医療で患者さんの治療に努めていきます。
整形外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) | 606 | 13.67 | 21.96 | 44.39 | 72.87 | |
| 07040xxx01xxxx | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) | 240 | 12.71 | 19.55 | 17.50 | 67.63 | |
| 160800xx01xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 | 192 | 15.45 | 25.50 | 83.33 | 81.74 | |
| 160760xx97xx0x | 前腕の骨折 | 96 | 2.49 | 4.76 | 2.08 | 50.20 | |
| 070050xx97xxxx | 肩関節炎、肩の障害(その他) | 77 | 13.53 | 20.54 | 9.09 | 68.51 |
当科入院で上位にある膝関節、股関節ともに2022年度より入院患者数が30人以上増えております。また転倒などによって骨折となり入院される方が多くいます。当科は治療内容をスケジュール化したクリニカルパスを積極的に使用しています。患者さん自身のゴールを可視化しADL(日常生活動作)の向上を目指した治療に努めており、平均在院日数も全国に比べて短いです。また、痛みの状態や活動性など患者さんの希望に沿った最適な治療法を柔軟に判断し提供できるよう努めています。入院早期のリハビリ介入や多職種によるカンファレンス等で情報共有を行い自宅退院を目標としておりますが、高齢の方や一人暮らしなど患者さんの生活環境によっては他医療機関の回復期病棟での入院継続治療も併せて提供し、退院に向けて個々の患者さんに合わせたケアを心がけております。
また2023年9月には中頭病院と共同で少年野球チームに対して野球肘検診を実施し、病気の早期発見・障害予防に取り組んでおります。
形成外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 080180xx99xxxx | 母斑、母斑症 | 63 | 1.06 | 3.50 | 0 | 3.76 | |
| 080010xxxx0xxx | 膿皮症 | 15 | 15.67 | 12.88 | 0 | 56.33 | |
| 160200xx02000x | 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) | 13 | 2.08 | 4.63 | 0 | 24.69 | |
| 100100xx97x1xx | 糖尿病足病変 | 10 | 32.70 | 47.07 | 0 | 63.80 | |
| 020320xx97xxxx | 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 | – | – | 3.17 | – | – |
当科は顔面、手足、その他の部位の外傷などによる後天性変形や先天性異常を、外見的・機能的に配慮しながら修復再建を行うものから、皮膚にできた腫瘍(良性・悪性)に対して手術やレーザー治療をするものなど治療は多岐に渡ります。特に多い疾患は、茶あざ・赤あざ・青あざなどの皮膚のあざ(母斑)に対してレーザーや手術治療などで入院される患者さんです。小児患者だけではなく大人も治療を行っており、日帰り入院での治療も可能です。
- 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。
脳神経外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 010030xx9910xx | 未破裂脳動脈瘤(動脈造影カテーテル法) | 89 | 2.04 | 2.95 | 0 | 65.98 | |
| 010030xx03x0xx | 未破裂脳動脈瘤(脳血管内手術等) | 47 | 8.09 | 8.94 | 4.26 | 65.94 | |
| 010070xx02x0xx | 脳血管障害(頸動脈ステント留置術) | 41 | 8.37 | 8.70 | 12.2 | 73.66 | |
| 010070xx9910xx | 脳血管障害(動脈造影カテーテル法) | 39 | 2.03 | 3.12 | 0 | 70.44 | |
| 160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷(その他手術あり) | 34 | 11.44 | 9.88 | 14.71 | 77.32 |
「脳神経外科」領域の三大疾患は脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷ですが、なかでも脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)は一刻を争う疾患であり、長年、日本人の死亡原因の上位に含まれています。当院は一次脳卒中センターとしてあらゆる脳血管障害に、24時間365日的確かつ迅速に対応しております。当科ではそれら疾患の検査目的で入院する患者さんも多く、病気の早期発見・治療を行うことで患者さんの生命を守り健康維持に寄与しています。脳血管内治療やt-PA(血栓溶解療法)なども積極的に治療に取り入れており、治療適応の幅や治療方法の選択肢が広がっています。また、脳腫瘍に対しても外科的手術・放射線照射・薬物療法・免疫療法を組み合わせて行う集学的治療を当院で行っています。
心臓血管外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 050080xx0101xx | 弁膜症(連合弁膜症を含む。) | 40 | 17.85 | 21.53 | 5.00 | 66.00 | |
| 050170xx03000x | 閉塞性動脈疾患 | 26 | 5.92 | 5.21 | 3.85 | 74.35 | |
| 050050xx0101xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患 | 24 | 23.54 | 21.38 | 0 | 62.79 | |
| 050161xx97x1xx | 大動脈解離 | 24 | 28.92 | 28.09 | 29.17 | 72.04 | |
| 050170xx03001x | 閉塞性動脈疾患(副傷病あり) | 22 | 4.23 | 9.00 | 0 | 73.91 |
1番多い入院となっている弁膜症とは、血液が常に一方向に流れるように維持し逆流を防止する”心臓弁”の働きが悪くなった状態を指します。症状は息切れ、胸の痛み、むくみ、呼吸困難などがありますが、初期の段階では症状が分かりにくい場合や無症状の場合もあるため、健診等における聴診で心雑音を指摘され心臓エコー検査で判明することが多い病態です。当院ではこの弁膜症に対する手術入院も行っております。
当科の目指す心臓血管外科治療は、(1)原疾患に対する根治術、(2)術後ADL(日常生活動作)を落とさない周術期(手術前後を含めた一連の期間)管理、(3)危機的状態にある患者様の救命です。循環器内科医とも連携し、ハートチームとしてあらゆる循環器疾患に対して最適な治療を提供できるよう努めております。
また、2022年よりNP(ナースプラクティショナー)という高度な専門知識をもつ診療看護師を採用しています。医師の指示で一定の医療行為を行うことができ、医師不在時にも迅速かつ安全な医療を提供しています。また術後の心臓リハビリでは、早めに体力を回復することと術後に起きるかも知れない様々な合併症を予防することを目的とし、専門のリハビリスタッフを含めた心臓リハチームに介入してもらい安全で速やかな心臓リハビリを行っています。
2022年10月より2ヶ月に1度、「心臓血管外科だより」として心臓血管外科が取り組んでいる内容の情報発信を行っております。2023年4月からは心臓血管外科医師1名、専属診療看護師NP 1名が増員し人的パフォーマンスも深まりました。
産婦人科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 120140xxxxxxxx | 流産 | 45 | 1.64 | 2.43 | 0 | 36.13 | |
| 120070xx02xxxx | 卵巣の良性腫瘍 | 39 | 5.26 | 6.00 | 0 | 43.92 | |
| 12002xxx03x0xx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍(子宮内膜掻爬術) | 38 | 1.18 | 2.51 | 0 | 57.05 | |
| 12002xxx02x0xx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍(子宮頸部(膣部)切除術等あり) | 37 | 2.78 | 2.96 | 0 | 45.14 | |
| 120220xx01xxxx | 女性性器のポリープ | 36 | 1.78 | 2.78 | 0 | 43.42 |
当産婦人科では、産科(周術期)・婦人科・不妊治療と3つの領域を分けて各専門医にて治療を行っておりますが、領域を隔てることなく頻繁に各専門領域の医師が協議を行うことで独断を排し、あらゆる症例に対して一定かつ常に高い水準での医療を実践しております。 また、産科では胎児の集中モニタリングシステムなど最新設備を導入しております。婦人科では悪性腫瘍・良性腫瘍に対する検査や手術、薬物療法、放射線治療を行っており、集学的治療(手術・薬物療法、放射線療法などを組み合わせて行う)を患者さんへ施行することが可能です。
不妊センターでは体外受精や人工授精治療を行っており、保険診療による不妊治療ができる県内6施設のうちの1つで他診療科と連携し合併症コントロールを行いながら不妊治療ができます。また、がん患者さんの妊よう性温存療法(将来子供を持つ可能性がある若い世代への妊娠する力を守る治療法)に対しても院内がんチームと連携を行いながら、取り組んでおります。
助産師や公認心理士などによる出産に関するメンタルケアサポート体制なども充実させ、妊娠から分娩管理までできる県内有数の施設であり年間500例程の分娩を扱っております。
耳鼻咽喉科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 37 | 5.22 | 6.02 | 0 | 55.22 | |
| 030230xxxxxxxx | 扁桃、アデノイドの慢性疾患 | 33 | 6.88 | 7.53 | 0 | 36.55 | |
| 030340xxxxxxxx | 血管運動性鼻炎、アレルギー性鼻炎<鼻アレルギー> | 22 | 5.05 | 5.27 | 0 | 30.68 | |
| 030390xx99xxxx | 顔面神経障害 | 17 | 7.71 | 8.71 | 0 | 49.06 | |
| 030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 | 13 | 4.85 | 5.51 | 0 | 41.77 |
耳鼻咽喉科では、特に副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの鼻疾患の治療に力を入れています。副鼻腔炎とは、かぜのウイルスや細菌、アレルギーなどにより副鼻腔の粘膜に炎症がおき、腫れたり鼻水がでてくる病気で蓄膿症(ちくのうしょう)と呼ばれることもあります。お薬や副鼻腔の洗浄などの保存的治療で症状が良くならず継続(慢性化)する場合は手術療法が必要になります。また、治療内容をスケジュール化したクリニカルパスを導入することで、副鼻腔炎での入院日数も短縮することができています。
腎・泌尿器外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| 110080xx991xxx | 前立腺の悪性腫瘍(前立腺生検法)(検査入院) | 197 | 2.10 | 2.44 | 0 | 71.55 | |
| 11012xxx02xx0x | 上部尿路疾患 | 82 | 4.73 | 5.22 | 1.22 | 63.55 | |
| 110080xx01xxxx | 前立腺の悪性腫瘍(手術あり) | 58 | 11.33 | 11.19 | 0 | 69.97 | |
| 110070xx03x0xx | 膀胱腫瘍 | 45 | 5.33 | 6.85 | 0 | 71.58 | |
| 110420xx02xxxx | 水腎症等 | 40 | 4.08 | 4.02 | 0 | 71.88 |
当科で一番多い入院は、前立腺癌の検査入院となっております。検診や血液検査などでがんの疑いがある患者さんの確定診断に必要な検査となります。前立腺の組織を採取し顕微鏡で確認するために入院が必要となり、がんの診断が確定した場合には進行度(病期:ステージ)などの確認を行い、患者さんの状態や希望に合わせて手術療法や薬物療法(化学療法やホルモン治療)、放射線療法などの治療を行っていきます。膀胱癌や腎臓癌などについてもがんの診断確定後、手術が必要となり手術目的で入院される患者さんが多くいます。
また、上部尿路疾患での入院患者さんも多く、尿管や腎臓に石ができる尿管結石症や腎結石症の方で、結石が大きく自然に排出されない場合には入院にて結石除去の手術を行っております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
| 初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
| Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
| 胃癌 | 20 | 10 | 17 | 28 | 20 | – | 1 | 8 |
| 大腸癌 | 27 | 22 | 64 | 56 | 66 | 18 | 1 | 8 |
| 乳癌 | 26 | 23 | – | – | – | – | 1 | 8 |
| 肺癌 | 24 | – | 19 | 26 | 14 | 17 | 1 | 8 |
| 肝癌 | – | 15 | – | – | 13 | 19 | 1 | 8 |
- 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
沖縄県は、全国の中でも大腸癌が多い傾向にあり、当院は県内トップクラスの治療を担っております。また、胃癌治療のために来院される患者さんも年々増加しており、消化器外科領域におけるがん治療は当院の強みの一つでもあります。がん治療には大きく分けて手術・薬物療法・放射線治療があります。当院では手術支援ロボット「ダヴィンチ(da Vinci Xi)」や放射線治療機器リニアックの導入および車椅子を考慮した広さの化学療法室があり、安全な治療環境の提供など患者さんに合わせた効果的な治療体制を整えてきました。加えて、改良型CART(KM-CART)でのQOL(生活の質)改善、緩和ケアチームによる患者さんやご家族の心身のサポートなど幅広い知識と経験を持つ多くの専門家がチームとなって連携し、がん治療を行っております。
がんに関するサポートとして「がんサロン ぽこあぽこ」を開催しておりコロナ禍ではWEB対応しておりましたが、2023年4月より再び対面で毎月開催を行うことができるようになりました。またがん治療に関する知識や情報を共有する場として「UIC-net講演会」も2ヶ月に1度開催しており、一人ひとりの患者さんにより的確で効果的ながん診療を提供できるように取り組んでおります。
- 病期分類基準(※):UICC病期分類
- 確定診断前の検査入院等については、ステージ分類「不明」にて集計
- 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
| 患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
| 軽症 | 56 | 9.91 | 56.39 |
|---|---|---|---|
| 中等症 | 167 | 12.46 | 76.09 |
| 重症 | 46 | 14.35 | 79.41 |
| 超重症 | 12 | 32.00 | 85.83 |
| 不明 | – | – | – |
肺炎は20年以上も日本人死因のトップ5に入る重要な疾患の一つで、細菌やウイルスなどの病原微生物に感染して、肺に炎症を起こす病気です。そのなかで「市中肺炎」とは、基礎疾患がない又は軽微な方におこる肺炎に分類されます。
前年度比較において、全体的に患者数も増加し、特に中等度の患者が増加の要因で最多患者数となります。しかし、軽症度から重症度において平均在院日数はわずかに減少し、平均年齢も低くなる傾向となりました。
当院は呼吸器内科専門医が在籍しており、呼吸管理や適正な抗菌薬の選択など患者さんの症状に合わせた治療を提供できるよう努めております。
- 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。
脳梗塞の患者数等
| 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
| 3日以内 | 212 | 17.14 | 75.21 | 31.74 |
|---|---|---|---|---|
| その他 | 18 | 21.11 | 74.50 | 2.61 |
脳梗塞で入院される患者は、前年度より増加しております。平均在院日数は発症期間により異なり、発症期間から入院に至るまでの日数が短いほど在院日数が短い傾向があります。
脳梗塞とは、脳にある血管が詰まることで脳細胞が死んでしまう病気で、半身麻痺や言語障害といった症状が突然現れます。また無症状の場合もあります。脳梗塞は血流が妨げられて起こる「アテローム血栓性脳梗塞」、脳の細い血管が詰まることで起こる「ラクナ梗塞」、心臓の中にできた血栓が脳の血管に運ばれ詰まることで起きる「心原性脳梗塞」の3つに分類されます。
当院では症状発症から3日以内の入院割合が大部分を占め、内科にて初期対応や全身管理などを行い、脳神経外科にて血栓溶解療法や血栓除去術などの急性期脳梗塞治療を行います。また、早期治療または予防的治療として脳血管内治療があり、後遺症を残さず回復することができるため当院脳神経外科ではこの脳血管内治療に力を入れています。さらに、脳卒中による後遺症を患った方には、回復期リハビリテーション病院などへの転院支援も行っております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
循環器内科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの | 166 | 1.06 | 4.07 | 0 | 67.25 | |
| K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの | 124 | 0.86 | 2.80 | 0 | 69.60 | |
| K5481 | 経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの)高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの | 51 | 0.59 | 2.65 | 0 | 74.06 | |
| K555-22 | 経カテーテル弁置換術 経皮的大動脈弁置換術 | 38 | 0.32 | 4.39 | 0 | 84.50 | |
| K5972 | ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 | 36 | 0.17 | 2.06 | 0 | 78.17 |
当科では不整脈に対して、カテーテルアブレーション(カテーテル心筋焼灼術)を実施しています。心筋焼灼術は、不整脈を引き起こす異常な心臓の発生源を直径約2mmの太さの柔らかいカテーテルを用いて高周波の電流を流し温めることで、細胞が壊死し電気を伝えることができなくなることで正常なリズムを取り戻す治療です。当科で3番目に多いのは、冠動脈(心臓の筋肉に血流を送る血管) が狭くなった、あるいは詰まった場合に特殊なカテーテルを高速回転させることで詰まりを治療する手術で、前年度から20件程手術件数が増加しております。また当科で4番目に多い、「経カテーテル弁置換術 経皮的大動脈弁置換術」は通称TAVI(経カテーテル大動脈弁治療)は、2021年7月に沖縄県で2施設目に認定施設を取得した治療法になります。TAVIは血管からカテーテルという細い管を挿入して心臓に人工弁を設置することで、患者さんの体への負担を軽減でき、ご高齢者や体力が低下している方の心臓弁膜症治療の可能性が広がり、ハートチーム(心臓血管外科と循環器内科)として心臓血管外科と協同で患者さんの治療をおこなっております。
また、2023年には新たに検査機器を導入し、これにより冠微小循環障害(CMD)の確定診断が可能になりました。患者さんにより詳細に病状説明ができるため、適切な治療に繋げることが出来るようになりました。
消化器内科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 283 | 0.56 | 2.60 | 4.95 | 76.93 | |
| K721-4 | 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 56 | 0.50 | 2.27 | 0 | 66.66 | |
| K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 55 | 0.89 | 3.07 | 7.27 | 73.27 | |
| K6852 | 内視鏡的胆道結石除去術 その他のもの | 53 | 0.21 | 2.81 | 3.77 | 70.57 | |
| K533-2 | 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 | 48 | 0.31 | 2.35 | 2.08 | 59.02 |
手術のなかで最も多い「内視鏡的胆道ステント留置術」は、栄養分を消化する働きをもつ胆汁や膵液の流れが悪くなっているときに内視鏡手術でステントという管を入れる治療です。流れが悪くなる原因として、総胆管結石や膵臓がん、胆管がんなどにより胆管や膵管が狭窄(狭くなること)することで起こります。
「早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術」や「内視鏡的粘膜切除術(大腸、胃、食道)」は腫瘍に対して行う内視鏡手術で、一定の大きさ・深さであれば外科手術ではなく内視鏡で取り除くことが可能なため、患者さんの身体的負担を軽減でき、短期入院または日帰りで手術可能です。当法人附属の健康管理センターでは、多くの内視鏡検診を実施しており腫瘍を早期発見することができるため、その後当院にて内視鏡的治療を実施することが多いです。
上部・下部の緊急止血術や緊急胆道ドレナージを365日24時間の対応を行っており、また、消化器外科や再生医療とのタイアップも行い病態に応じた治療を心がけています。
腎臓内科
| Kコード | 名称 | 患者数 |
平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 |
平均年齢 |
患者用パス |
| K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの | 36 | 0.36 | 4.03 | 2.78 | 69.36 | |
| K616-41 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 | 16 | 0.25 | 0.88 | 12.50 | 72.75 | |
| K607-3 | 上腕動脈表在化法 | 13 | 3.85 | 2.31 | 15.38 | 72.15 | |
| K635-3 | 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 | – | – | – | – | – | |
| K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) | – | – | – | – | – |
腎臓の働きが悪くなった患者さんが、血液透析治療を行う際に必要な処置として内シャント造設術があります。この手術は腕や手首にある動脈と静脈をつなぎ合わせて、静脈に大量の血液が流れるようにルートを作り、そこから持続的な血液採取を可能にします。内シャント造設術は、当院通院患者さんだけではなく、近隣の施設から透析導入のための作成やシャント閉塞による再作成での紹介依頼もあります。
当科では外科医協力のもと、太い静脈にカテーテルを入れて血を脱血・送血して透析を行えるようにする長期留置カテーテルを行っており、またシャント拡張術・血栓除去術は腎臓内科医と外科医のどちらでも行える診療体制をとっております。
- 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。
外科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 |
患者用パス |
| K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 143 | 1.19 | 3.66 | 1.40 | 57.93 | |
| K635 | 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 | 85 | 1.95 | 4.46 | 5.88 | 66.86 | |
| K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 60 | 1.00 | 2.08 | 0 | 64.72 | |
| K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 58 | 3.69 | 11.33 | 8.62 | 66.97 | |
| K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 36 | 0.53 | 3.56 | 2.78 | 41.22 |
外科では鏡視下手術を数多く施行しており、これは5mm-12mm程度の小さな穴を複数箇所開けて内視鏡や器具を挿入し臓器などを切除する手術方法です。小さな傷跡で術後の痛みも少なく出血量が抑えられるため、回復(退院)が早いというメリットがあります。
消化器外科領域では安全で適切な手術治療を提供するため、大腸、胃、肝臓、膵臓の診療グループによる専門領域別に習熟した治療体制を基本としています。また、2022年度からは直腸癌のロボット支援下手術(ダヴィンチ手術)を開始しました。上記の鏡視下手術よりも更に低侵襲(身体的負担が少ない)のため、今後も手術対象を広げていく予定です。
呼吸器外科領域では肺癌や自然気胸、肺生検等の手術にて胸腔鏡下手術(鏡視下手術の一つ)を主体としており、低侵襲手術を推進しております。
乳腺外科領域の特色として、MRIガイド下針生検が挙げられます。乳がんの中にはMRIでしか発見できないものも存在し、診断をつけるためにMRIガイド下針生検が必要となりますが、沖縄県内では当施設のみが行っています。他にも凍結療法(液体窒素でマイナス170℃まで冷却した針を乳がんに刺すことで死滅させる)という切らない治療法も亀田総合病院と連携し行っています。
また、慢性腎不全の患者さんに対しての腎移植手術はコロナ禍でも変わらず施行し、年間十数件の移植を行う全国でも有数の移植施設となっております。
整形外科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| K0821 | 人工関節置換術(肩、股、膝) | 887 | 1.28 | 11.21 | 35.74 | 71.60 | |
| K0461 | 骨折観血的手術(大腿) | 162 | 1.43 | 11.61 | 68.52 | 78.17 | |
| K1426 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) | 112 | 4.42 | 18.71 | 25.89 | 66.79 | |
| K0462 | 骨折観血的手術(前腕) | 102 | 1.38 | 4.09 | 12.75 | 57.16 | |
| K0483 | 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) | 101 | 0.29 | 1.42 | 0 | 48.64 |
当科は整形外科領域の全ての分野に関して手術・リハビリ治療に対応できる設備を整えており、変形性膝関節症や変形性股関節症に対する人工関節置換術は2022年度より80件増加しており、全国でもトップレベルの件数を誇ります。
上肢外科では、関節滑膜炎、肩関節拘縮や肩腱板断裂に対して鏡視下手術を積極的に行っており、低侵襲(身体的負担が少ない)で術後に大きな改善を得ることができるようになってきました。脊椎外科では腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症や頚椎症性脊髄症などの疾患を中心に、手術用顕微鏡を使用して手術を行っています。
また、外傷やスポーツ疲労による軟骨損傷に対する自家培養軟骨細胞移植(ジャック®)を行える県内の数少ない医療機関の一つです。
2024年3月には当院2台目のロボット「VELYSロボット支援ソリューション」を導入しました。手術支援ロボットの活用により手術の正確性の向上や、患者さん一人一人の足の形に合わせた精密な人工関節全置換手術が可能となりました。
脳神経外科
| Kコード |
名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| K609-2 | 経皮的頸動脈ステント留置術 | 42 | 2.10 | 6.17 | 11.90 | 74.12 | |
| K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 33 | 0.33 | 12.70 | 30.30 | 78.76 | |
| K1781 | 脳血管内手術(1箇所) | 33 | 0.94 | 10.55 | 9.09 | 60.91 | |
| K1643 | 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) | 31 | 0.77 | 31.90 | 77.42 | 69.00 | |
| K1783 | 脳血管内手術(脳血管内ステント) | 26 | 1.92 | 11.23 | 15.38 | 67.77 |
脳血管内治療という分野が最近注目されており、当科で最も多い「経皮的頸動脈ステント留置術」もその治療になります。手術の侵襲が高い患者や頭蓋内に病変が及ぶ場合に、内頸動脈の(高度)狭窄に対し、カテーテルを用いて血管の狭窄部に「ステント」と呼ばれる金属製の網状の筒を留置し、血管を拡張させ血流を改善させる方法です。脳血管内治療の特徴として痛みが少なく体への負担を軽減できるという点が挙げられます。それだけではなく、従来の開頭手術に脳血管内治療を加えることで治療適応の幅および治療方法の選択肢が拡がり、それまでは治療困難であった疾患を治すことが可能になりました。当院ではこの脳血管内治療に力を入れており、治療設備を充実させ24時間365日迅速かつ的確に対応できるようにしています。
心臓血管外科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 47 | 1.57 | 4.11 | 2.13 | 74.00 | |
| K552-22 | 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) | 38 | 6.95 | 19.74 | 2.63 | 64.18 | |
| K5551 | 弁置換術(1弁) | 23 | 2.78 | 20.13 | 0 | 70.13 | |
| K5601ニ | 大動脈瘤切除術(上行)(その他) | 17 | 0.47 | 27.24 | 35.29 | 72.47 | |
| K617-4 | 下肢静脈瘤血管内焼灼術 | 14 | 0.07 | 1.43 | 0 | 66.86 |
当科の特徴は「身体的負担の少ない低侵襲外科治療(以下、MICS)」に力を注いでおり、早期社会復帰を実現するためにハートチーム(心臓血管外科と循環器内科)一丸となり治療を提供しております。基本的に胸部の骨を切開・離断しないため術後の運動制限はないというメリットがありますが、 MICSが可能かどうかは患者さんの体つき(胸部の解剖学的な条件)および全身状態から判断します。入念な術前検査による全身評価を行い、手術後は体力を早期回復させるために手術翌日からの早期心臓血管リハビリを積極的に行うことで術後2週間以内の自宅退院を目指しております。
さらに、ハートチームの連携によって経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)をはじめとするカテーテル治療も積極的に行っております。
また、2023年5月には県内初の手術支援ロボット(ダヴィンチ)にて、心臓弁膜症に対する弁形成術を行いました。ロボット心臓手術は、良好な病変の視野確保が可能なことや、従来治療に比べ術後創痛が少ないなどのメリットが挙げられます。
産婦人科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| K861 | 子宮内膜掻爬術 | 89 | 0.12 | 0.35 | 0 | 50.22 | |
| K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) | 51 | 1.00 | 3.43 | 0 | 42.98 | |
| K867 | 子宮頸部(腟部)切除術 | 36 | 0.92 | 0.94 | 0 | 45.64 | |
| K9091イ | 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) | 32 | 0.03 | 0.09 | 0 | 37.19 | |
| K872-31 | 子宮内膜ポリープ切除術(電解質溶液利用) | 30 | 0.20 | 0.50 | 0 | 42.17 |
当科で最も多い「子宮内膜掻爬術」とは、子宮体部癌や子宮内膜異型増殖症などの診断をつける際に子宮内膜の組織を一部採取するものです。その結果を基に病気を確実に診断することで、子宮頸部(膣部)切除術や子宮全摘術、薬物療法や放射線照射治療など今後の治療方針を決定するうえで非常に重要な施術となります。
また、妊孕性温存治療(妊娠する力を保つこと)にも力を注いでおり、子宮頚部異形成(前がん病変)や初期の子宮頚がんに対しては薬物塗布療法による治療を行っています。当院では10年以上この治療を行ってきましたが、完全治癒率は約90%で治療後に妊娠した方が早産した例は1例もありません。
更に当院には腹腔鏡・子宮鏡技術認定医が在籍しており、体への負担が少ない腹腔鏡手術も行っています。2023年度より手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いた良性腫瘍手術も開始しました。
耳鼻咽喉科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 34 | 1.00 | 5.00 | 0 | 35.44 | |
| K340-6 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) | 30 | 1.00 | 3.27 | 0 | 55.20 | |
| K347-5 | 内視鏡下鼻腔手術1型(下鼻甲介手術) | 19 | 1.00 | 3.05 | 0 | 30.26 | |
| K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | – | – | – | – | – | |
| K344 | 経鼻腔的翼突管神経切除術 | – | – | – | – | – |
耳鼻咽喉科領域全般の診療を行っていますが、扁桃炎を繰り返す患者さんに行う口蓋扁桃手術が多いです。また、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの鼻疾患の手術治療に力を入れており、内視鏡下鼻副鼻腔手術を導入してから10年以上が経過しており、その症例数も年々増加傾向にあります。これまでの「痛く、つらい」副鼻腔手術のイメージから、より安全で低侵襲(身体的負担が少ない)な内視鏡手術に移行することで患者さんへの負担の少ない手術提供を目指していきたいと考えております。
- 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。
腎・泌尿器外科
| Kコード |
名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
| K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) | 74 | 0.38 | 3.84 | 0 | 63.61 | |
| K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 63 | 0.32 | 5.11 | 1.59 | 71.06 | |
| K843-4 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) | 58 | 1.00 | 9.33 | 0 | 69.97 | |
| K773-2 | 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 | 29 | 1.21 | 14.41 | 3.45 | 67.55 | |
| K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) | 27 | 1.30 | 5.48 | 0 | 71.04 |
経尿道的尿路結石除去術(レーザー)は、尿路結石症(腎・尿管・膀胱に結石ができる病気)に対して尿道から内視鏡カメラを挿入し、レーザーで結石を粉砕し体内から除去することで痛みや通過障害等を取り除くことができる手術で、沖縄県内でも上位の施術件数となります。
2022年度からは既存の開腹手術や腹腔鏡下手術に加えロボット支援下手術(ダヴィンチ手術)を開始しました。ダヴィンチ手術は、通常の開腹手術や腹腔鏡手術と比べ、術野をよく観察することや縦横無尽に術野を操作することができ、安全に手術を行えることはもとより患者さんの負担を軽くすることが期待できます。現在は、前立腺癌、腎臓癌・膀胱癌に対してもダヴィンチ手術が可能となりました。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
| DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
|---|---|---|---|---|
| 130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | – | – |
| 異なる | 20 | 0.17 | ||
| 180010 | 敗血症 | 同一 | 50 | 0.43 |
| 異なる | 118 | 1.01 | ||
| 180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | – | – |
| 異なる | – | – | ||
| 180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 104 | 0.89 |
| 異なる | – | – |
播種性血管内凝固症候群や敗血症は、感染症などによって引き起こされる全身性の重篤な病態です。なかでも敗血症は当院で最も多い症例で、入院中の発症数も一定数いることから、感染症にかからないよう心掛ける予防と早期治療が重要となります。
手術・処置等の合併症は、透析シャント狭窄症や人工物の挿入による合併症などが大部分を占めます。他院にて血液透析中でも、シャント治療は当院で実施されることがあることから患者数が多い傾向にあります。
いずれの病態も一定の確率で発生しゼロにはなりませんが、発生した際には細心の注意を払って治療対応にあたります。
- 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
| 肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した 退院患者数(分母) |
分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率 |
|---|---|---|
| 2454 | 2343 | 95.48 |
手術中から手術後の安静にしている間は膝から足首までの筋肉のポンプ作用が弱まり、血液が固まりやすく、血栓ができやすくなります。足の血栓が肺の血管まで運ばれてしまうと、肺の血管が詰まってしまい、呼吸困難や胸痛、時には突然死を引き起こすことがあります。
当院では、安静期間中でも可能な範囲で、足の運動を行ったり、弾性ストッキングなどで肺血栓塞栓症の予防対策を行っております。
血液培養2セット実施率
| 血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
|---|---|---|
| 5416 | 5044 | 93.13 |
感染症は原因となっている菌に有効な抗菌薬で治療する必要があります。血液培養検査を行うことで、治療に有効な抗菌薬を選択することができます。何らかの理由による、検体の汚染を血液中の細菌類と勘違いしないために、血液培養検査を2セット行うことが推奨されています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
| 広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
|---|---|---|
| 975 | 882 | 90.46 |
抗菌薬は特定の細菌に対して使用しますが、幅広い種類の細菌に効く抗菌薬を、広域スペクトラム抗菌薬と呼びます。近年、抗菌薬に耐性のある新たな細菌が出現し、難治症例が増加していることが世界的問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になるため、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要となります。
更新履歴
2024年9月27日
2024年10月7日