医療技術部|臨床工学科

診療科・部門

医療技術部|臨床工学科

概要

臨床工学科は医療機器の専門家、「臨床工学技士」により構成されています。 

馴染みのない資格職かと思われますが、主に医療機器を使用した患者さんへの治療の提供と、医療機器のメンテナンスを業務としている国家資格です。 

病院では様々な医療機器が日常的に使用されており、患者さんに安全な医療を提供するためには日々の点検が不可欠です。また、特に生命に直接的に関わる医療機器(人工呼吸器、人工心肺装置、人工透析装置等)の操作や管理は専門性が高いため、装置に習熟した臨床工学技士が行います。 

心臓疾患や脳疾患による緊急手術中や、術後の治療にも様々な医療機器が使用されており、臨床工学技士が携わっています。 

最善の医療を患者さんに提供するための一員として、多職種と協力し業務に励んでいます。 

人数: 27名(臨床工学技士26名、医療用具保守担当1名) 
業務分野: 手術室、心臓カテーテル室、血液浄化療法室、集中治療室、医療機器管理室

業務分野別概要

手術室

心臓血管外科手術には、手術中に一時的に心臓を止めて外科的な処置をする方法があります。心臓が停止している間、心臓と肺の役割を担う装置(人工心肺装置)を使用します。この人工心肺装置を臨床工学技士が操作しています。人工心肺装置を使用する手術件数は、年間100件を超えます。高難度の手術にも対応可能な認定資格を取得した臨床工学技士も複数名在籍しています。緊急性の高い場合もあり、24時間昼夜を問わず手術可能な体制を取り、沖縄本島はもちろん、離島からも患者さんを多数受け入れています。その他にも手術室では多数の医療機器が使用されており、それらの医療機器が手術中に安全に使用できるよう、臨床工学科が管理しています。 

また、2022年5月より手術支援ロボット「ダヴィンチ」による手術を開始しました。複数の大型装置で構成されるロボットシステムの準備やセッティングも重要な業務の一つです。

手術室

心臓カテーテル室

心筋梗塞や不整脈の治療をするための部屋が心臓カテーテル室です。治療に使用する機器はカテーテルと呼ばれ、足や腕の血管を入り口として血管の中を通り、心臓まで到達することで治療や検査をします。このカテーテルの準備や、超音波や赤外線により心臓の血管(冠状動脈)の内側を画像として表示する装置の操作をし、循環器医師及び看護師と協力の上、心筋梗塞等の治療をサポートしています。急性心筋梗塞等の超緊急的な対応が求められる治療に対し、24時間速やかに対応できるような体制をとっています。 

また、不整脈治療では心臓内の異常な電気が発生している部分を治療するために、装置を使用して心臓内に流れている電気を地図のように表示します。この複雑な心臓内の電気の地図をモニタリングし、医師とコミュニケーションを取りながら不整脈の治療を行っています。不整脈治療のスペシャリストのみが取得可能な専門資格を有した臨床工学技士も在籍しており、質の高い医療の提供に励んでいます。 

心臓カテーテル室

血液浄化療法室

腎臓の機能が低下した患者さんは、体の外に不要な物質を尿として排せつできなくなるため、人工透析という治療が必要です。人工透析では専用の装置を使用します。また、血液回路というチューブの中に血液を流し、人工腎臓というフィルタを使用して血液の中から不要な物質や水分を除去します。この装置と血液回路の準備に加え、治療開始時には血液をチューブの中に引き込むために針を血管に指す(穿刺する)ことも行います。 

人工透析には透析液と呼ばれる大量の水を使用します。この透析液は血液浄化療法室にある大型の装置で作成していますが、血管の中に直接入る液のため、常に清潔に管理する必要があります。この水質管理も臨床工学技士の重要な仕事です。血液透析以外にも、体の中の免疫系が正常な臓器を攻撃してしまう疾患(膠原病等)に対して、血液透析と同様に血液から異常な免疫物質を除去するための、血漿交換療法と呼ばれる治療も行っています。さらには腹水治療のためのKM-CARTと呼ばれる治療において、腹水の濃縮濾過処理も行っています。当院はKM-CARTの沖縄県内では数少ない実施施設の一つです。

血液浄化療法室

集中治療室

集中治療室(ICU)には重症患者さんや大手術を受けた後の患者さんが入室し、各種治療を行います。集中治療室での臨床工学技士の役割は、生命維持管理装置と呼ばれる医療機器の操作と管理です。生命維持管理装置とは主に人工呼吸器、人工心肺装置、人工透析装置等の事です。昨今コロナ患者さんの治療としてテレビのニュース等で取り上げられましたECMO(エクモ)装置もその一つです。ECMOは肺機能の低下した(呼吸状態が重症な)患者さん以外にも、心肺停止時の救命目的や、重度の心機能低下患者さんが適切な手術を受け、回復するまでの間、使用します。人工呼吸器や血液透析といった複数の装置を使用する治療を同時に行う場合も多く、このような患者さんに対し安全な治療の提供を継続するため、装置の管理を臨床工学技士が実施しています。 

集中治療室

医療機器管理室

院内で大量に使用されている医療機器を集約的に管理するのが医療機器管理室の役割です。医療機器管理室では、複数の医療機器をいつでも安全に使用できるよう整備された状態に管理し、患者さんの治療に使用する場合は各部署へ貸し出しています。使用後は医療機器管理室に装置が返却され、点検後に再度貸し出し可能な状態に整備しています。故障時の修理対応も業務の一つです。医療機器は長年使用することにより故障のリスクが高まるため、安全な治療の提供のためには定期的な買い替えが必要で、新しい機器に切り替えるための計画や機種の選定も当科で行っています。さらには、医療機器の適切な使用のため、院内の各部署を対象に勉強会を開くことも医療機器管理室の重要な業務です。医療機器に対する業務のみならず、患者さんに使用中の人工呼吸器の設定確認や、人工呼吸器装着患者さんの搬送もしています。人工呼吸器使用患者さんを他施設へ搬送する際には、安全を担保するために、人工呼吸器に習熟した担当者が救急車に同乗します。 

医療機器管理室

医療用具保守

院内で使用する医療用具(主にベッド、ストレッチャー、車椅子)の保守管理を行っています。患者さんの使用する医療用具が常に安全に使用できるよう、第2種電気工事士の資格を持つ専任の担当者が点検計画に基づく点検の実施、及び修理対応をしています。 

使用頻度の高い医療用具は経年劣化等により、小さな損傷が発生している場合があります。定期点検や修理を行う事で、この損傷を見逃さず、予期せぬ事態を防止し、患者さんに安全な医療用具を提供するという重要な役割があります。 

現在は1名の専任者が対応していますが、大量の医療用具を点検、修理するため、求人募集中です。 

ご興味のある方は当院ホームページの求人情報をご参照ください。 

医療用具保守