消化器内科

現在、当診療科は常勤7名、消化器内科専科コース専攻医5名（2022年4月現在3名は他施設ローテーション中）、非常勤2名で診療を行っています。
年間の内視鏡総検査数は約7,000件にのぼります。
当院は日本消化器病学会認定施設、日本消化器内視鏡学会指導施設、日本胆道学会指導施設、日本肝臓学会関連施設となっており、多くの専門医を輩出している施設でもあります。

2020年の移転時に内視鏡全ブースにブルーライト、中央配管でのCO2送気設備を採用し、充実した環境で内視鏡検査に取り組んでいます。また、当法人付属の健康管理センターには男女別の内視鏡フロアがあり、計6ブースで年間約15000件の上部消化管内視鏡を実施しています。消化器外科や再生医療とのタイアップも行い、病態に応じた治療を心がけています。また夜間・休日の内視鏡センター緊急稼働回数は年間160～180回となっており、沖縄県南部エリアの消化器内科救急を担い、地域医療に貢献しています。

肝がんの診断については、定期的な各種画像検査や血液検査が早期発見に有効です。特に肝臓がんを発症する可能性の高いハイリスク・ グループ（B型慢性肝炎、C型慢性肝炎、脂肪肝等による肝硬変）の方を対象に、年数回の検査を行うことで、肝臓がんを早期発見・早期治療できる可能性が高まります。沖縄県はB型肝炎ウィルス持続感染者が全国トップです。その割に肝がん患者が少ないのは、このB型肝炎ウィルスの種類が内地に比べて大人しいタイプが多いからです。しかし、それでも定期的に検査をしていくことが望ましいと考えています。ハイリスク・グループの方の定期検査は「命」に直結する重要な検査です。定期検査で「肝臓を丁寧に観察し、がんが小さいうちに治療する」ことが、肝臓がんを制することになります。

がん治療としては外科的手術、ラジオ波焼灼療法、化学療法、放射線治療への対応が可能となっています。

当法人付属の健康管理センターで多くの胃内視鏡検診を実施しているため、食道、胃においては早期で見つかり、内視鏡治療を実施することが多いです。特に胃については当院には胃がん専門の医師が常勤しており、手術・化学療法においても全国レベルの治療が受けられます。大腸がんは沖縄県で増加傾向にある注意が必要ながん種であり、消化器連携施設と協力して、できるだけ多くの内視鏡検査を実施しており、その検査件数は当院で治療しているがん腫においても最も多くなっています。

胆・膵がんは早期発見が難しい病気です。健診とは別に、糖尿病や慢性膵炎、家族歴など膵臓がんの危険因子を持つ方は、自覚症状がなくても定期的に専門医を受診し、検査を受けましょう。当院では腹部超音波検査、造影CT検査、MRI検査、超音波内視鏡検査、PET検査を組み合わせて行っています。2021年からは日本膵臓学会専門医がスタッフに加わり、より専門的な検査・治療を行っています。