当院の取り組み
友愛医療センターの新築開院について
2020年8月に開院した当院のご紹介です。
2020年、豊見城市与根に友愛医療センターが開院しました
旧・豊見城中央病院は過去40年に渡り豊見城市上田の地で急性期医療や24時間の救急医療などの高度医療を担い、災害拠点病院、地域医療支援病院の取得など地域の中核的医療機関として安全安心な医療の提供に努めてきました。しかしながら施設の老朽化・狭隘化や診療諸室の分散した配置構成、また敷地及び周辺環境における駐車場の狭さなどの諸問題に対して、改善が求められていました。より高度化する医療ニーズへの対応や行政の方向性、病院の将来の拡張性などを考慮し、「現地建替」,「近隣土地への拡張」,「新築移転」などの手法により問題を改善するという方向性を検討した結果、「新築移転」に取り組むことを決定しました。
友愛医療センターの病室例
友愛医療センターの特徴
救急医療の充実
救急科は新たに約1,600㎡を確保、初療室増設や病棟の設置、ヘリポートやドクターカーの整備など医療機能を大幅に強化するとともに、専属の救命救急士や薬剤師など多くの医療技術者を含めた診療体制の強化を実現し、「地域のセーフティーネット」として精力的に医療活動をしています。
- 救急外来専用診察室(6診)を設置し、内1室を陰圧室仕様の診察室とし、感染症対応を強化しました。
- 救急病棟7床 個室2床を含む計9床を設置します。また感染初期診療の個室を1室設置しました。
- 豊見城市をはじめとする地域消防署員を受け入れる派遣型救急ワークステーションを設置、各救急隊との連携を強化して、より迅速かつ高度な救助活動への貢献を目指しています。
- 県内の医療機関で最大の屋上ヘリポートから救急科直通エレベータを設置、離島などからの緊急搬送患者への迅速な対応が可能となりました。
災害に強い病院
1. 地震対策
外来・入院病棟など、患者さんが滞在する建屋は免震構造として揺れを制御することで人的被害を最小限にする一方、インフラが入る建屋は耐震構造として設備へのダメージを最小限にする方式を採用しています。
2. 津波・高潮対策
沖縄県土木建築部海岸防災課による豊見城市の最大津波・浸水深は2m~5mを前提に土台を嵩上げし、さらに電気設備を上階に設置しています。
3. 停電対策
地域災害拠点病院として、県内の医療機関で唯一、空港など重要な社会インフラと同等の特別高圧回線を複数導入して安定的な電力確保をするとともに、万が一の停電時には72時間に渡って医療機能を維持できる自家発電装置を整備し、ESP(エネルギーサービスプロバイダ)による高度な保守・運用体制を導入するなど、安全安心な病院づくりに取り組みました。
専門医療機能の強化
友愛医療センターでは領域別の専門医療に特化した体制を構築すべくセンター化に取り組みます。
2F |
循環器センター |
環器内科・心臓血管外科の連携 |
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不妊センター |
外来と採卵移植機能の連携 |
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5F |
泌尿器・腎センター |
泌尿器科・腎臓内科・移植外科の連携 |
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7F |
整形外科センター |
整形外科とリハビリ科の連携 |
集学的がん治療体制の確立
友愛医療センターでのがん治療体制として、外科療法(手術)として手術室12室、化学療法(投薬)として、化学療法室21床(BED13床、リクライニング8床)、放射線療法として新たに放射線治療器の導入を予定しています。それに加え、豊崎クリニックではPET-CT(早期発見)、南部病院では緩和ケア病棟(終末期ケア)があり、友愛会内でがん治療が完結できる体制を整備します。
また、がん患者様の外来診察室や、がんサロン、がん相談支援センターを配置し、患者様のケアを推進していきます。さらにがんに対する情報の共有や、知識を得られる機会を積極的にサポートしていきます。
ニュークックチルの導入
従来の病院で採用していたクックサーブという調理法は、加熱調理後すぐに患者様へ提供する方法でありますが、調理後2時間以内喫食の遵守が容易ではないことや、加熱時間などの調理の条件によって味のばらつきが出やすいことがデメリットとして挙げられていました。
これら課題を解決すべく、友愛医療センターでは「ニュークックチル」という新調理法を導入しました。この調理法では、加熱調理後、急速冷却チルド保存を行い、患者さんへ提供する当日にチルド状態のまま盛付し、カート内で再加熱をすることで、より高度な衛生管理、より美味しい食事の提供が可能となりました。
建物概要
- 構造:鉄筋コンクリート造(免震構造)
- 階数:地上8階(8階部はヘリポート)
- 敷地面積:約24,000坪
- 延床面積:約14,500坪
- 病床数:378床
- 駐車場:収容台数 約700台