治療法(栄養療法)

当院の取り組み

治療法(栄養療法)

がん治療における栄養療法

栄養状態を適切に保つことは、化学療法、放射線治療、外科治療などの治療に耐えるために重要です。栄養不良だと治療が長引くことがありますが、栄養状態がよければ、治療後の回復を早めることも期待できます。栄養状態は治療に大きく影響します。

栄養素を体内に取り入れることが少なくなると、栄養状態が悪くなり、低栄養状態になることがあります。低栄養になると、体脂肪、筋肉量、内臓のたんぱく質等が減り、傷の治りが遅くなり、手術後の回復や治療に耐える体力の維持が厳しくなります。侵襲の大きい治療を行なっている場合、エネルギー代謝が高まり、通常の栄養摂取量だと必要栄養量が不足し、体重が減少することがあります。そのため、栄養摂取量の低下や体重減少は治療に大きく影響を与えるため、治療と並行して適切な栄養管理を実施することが重要です。

早期に栄養障害を見つけ、適正な投与エネルギーやたんぱく質などの栄養素を患者ごとに設定し、栄養計画を実施することによって、栄養障害による状態の悪化を防ぐことができます。また栄養障害があった場合は、早期に元の栄養状態に戻すことができます。外科的治療など侵襲が大きい治療を行なっている患者に対して、適切な栄養管理をすることは、感染症など様々な合併症の抑制につながります。

栄養は食べ物を通して体内に取り入れることができますが、その食べ物を消化する場合、必然的に腸をつかうことになります。腸の粘膜には免疫細胞が多く存在しています。補給方法が点滴だけで腸を使わない期間が長ければ長いほど免疫機能が落ちてしまいます。そのため、できるだけ口から食事や栄養剤をとり、腸を使うようにします。

栄養は治療の根幹です。栄養状態次第で回復を早めることができ、治療効果を高めることもできます。栄養不良は免疫機能が低下する要因でもあります。栄養評価後、必要栄養量算出、栄養計画の立案・実施、再栄養評価の実施を繰り返し、栄養状態を適切に保ち、栄養療法をすることによってがん治療ができるように支援します。

がん治療における栄養管理

栄養状態を適切に保つことは、化学療法、放射線治療、外科治療などの治療に耐えるために重要です。治療を開始する前に栄養不良だと治療が長引くことがありますが、栄養状態がよければ、手術後の回復を早めることも期待できます。

入退院支援センターでは、担当管理栄養士が入院前に栄養評価を行い、低栄養のリスクが高い患者さんへは、入院するまでの食事についてアドバイスをしています。入院前の栄養状態・食事情報は病棟管理栄養士へ申し送り、入院前から退院に至るまで継続した栄養管理ができる体制となっております。

入院中は、食事摂取量や水分摂取量の低下、体重変化や脱水、浮腫の状態、消化器症状(下痢・便秘・嘔吐・胃からの栄養剤の逆流等)、臨床検査値の変化等を確認しながら栄養管理を実施しております。栄養状態が低下傾向の場合は、栄養サポートチームと連携を取りながら、チームの専任医師・看護師・薬剤師・管理栄養士と共に栄養状態の改善に努めております。

緩和ケアチームにおいても多職種と連携しながら患者さんの栄養管理をしており、患者さんの食べたいものを確認しながらできる限りの対応をしております。食事は楽しみの一つでもあります。噛む力や飲み込む力を確認しながら、食べる機能に応じた食事の提供をしております。

栄養状態は治療に大きく影響します。栄養素を体内に取り入れることが少なくなると、栄養状態が悪くなり、低栄養状態になる場合があります。低栄養になると、体脂肪、筋肉量、内臓のたんぱく質等が減り、傷の治りが遅くなり、治療後の回復や治療に耐える体力の維持が厳しくなります。

外来化学療法をされている患者さんへは、必要に応じて栄養食事の相談(栄養指導)を実施しております。ご自宅で召し上がっている食事内容を聞き取りし、現在の栄養摂取量を算出、生活スタイルや経済面、食習慣等を確認しながら、各患者さんに合わせた栄養食事のご提案をしております。今後はがん治療センターに管理栄養士を配置し、治療中の皆様の栄養食事のサポートができる体制がとれるよう、検討しております。

栄養は治療の根幹です。栄養状態次第で回復を早めることができ、治療効果を高めることもできます。栄養不良は免疫機能が低下する要因でもあります。栄養状態を適切に保ち、栄養療法をすることによってがん治療ができるよう、これからも支援いたします。