検体検査

診療科・部門

検体検査

検体検査

検体検査の業務

検体検査室では3交代の24時間体制をとっており、患者さんから採取した血液や尿、喀痰や便などの検体を用いて身体の状態を調べています。

採血室では採血専用システムを用いて、受付から採血管準備、患者さん確認をバーコード管理しており、リスク管理に努めています。

当院検体検査室は以下の分野に細かく分かれて検査を行っているため、1人が2~3分野の検査を担当しています。

血液検査

血液検査では、交代で4~5名の技師が検査に携わっています。

血液中の細胞(白血球・赤血球・血小板)数を自動血球数装置(XN-3000)で検査し、
貧血や炎症の程度の判断や出血傾向の判断を行っています。また、血液細胞形態を機器や顕微鏡で検査技師が観察して医師に報告しています。

このほか、止血機能の異常や血管内の血栓有無の可能性を調べるため、血液凝固自動分析装置(CP-3000)で血液凝固・線溶の検査も行っています。

輸血検査

輸血検査

輸血は、血液の病気や交通事故による外傷・手術など、さまざまな理由によって失われた血液やその機能を、他人や自己の血液によって補う医療行為です。

輸血検査業務では、輸血を行うにあたっての血液型検査、不規則抗体検査、交差適合試験を主に行い、その他直接クームス試験、抗A・抗B抗体価の検査を行っています。

また、血液製剤の保管・管理、輸血療法委員会の開催を行い、より安全で適切な輸血療法の実施を目指しています。

輸血する製剤は、検査によって患者さんご本人に適合するか判断しています。この検査を他施設においても迅速に行えるよう、当院検査科では対象の患者さんには『輸血関連情報カード』の発行を行っています。

生化学検査

日立LABOSPECT006 2台、アークレイHA-8190V 2台、富士ドライケムNX500iを使用し、交代で4~5名の技師が検査に携わっています。

・生化学検査は、採血した血液や尿などのさまざまな成分を分析することで、どの部分の疾患なのか、炎症があるのか、栄養状態はどうかなどを推測する検査です。

・生化学検査ではたくさんの項目を取り扱いますが、主に以下のような項目があります。

肝機能の検査

AST、ALT、γ-GTP、ビリルビンなど

腎機能の検査

尿素窒素、尿酸、クレアチニン、尿中蛋白など

糖尿病の検査

血糖、ヘモグロビンA1c、グリコアルブミン、尿糖など

脂質の検査

中性脂肪、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロールなど

免疫血清検査とは

免疫(抗原抗体)反応を利用して、感染症の有無やホルモン、腫瘍マーカー、心筋マーカーを調べ、病気の診断や経過観察、治療方法の決定などに役立てます。

使用機器:Alinity i LP-L2400

検査の目的

検査項目

感染症

HBs抗原、HBs抗体、HIV抗原抗体、HCV抗体、HTLV抗体

腫瘍マーカー

CEA,CA19-9,PSA,AFP,PIVKA-II,CA15-3,CA125

ホルモン

TSH,FT3.FT4,Ipth,インスリン,コルチゾール

性ホルモン

LH,FSH,PRL,PRG,EII,β-HCG

薬物

タクロリムス,シクロスポリン

心マーカー

BNP.心筋トロポニンI,NT-PRO-BNP

その他

フェリチン,プロカルシトニン

尿一般検査

栄研化学US3500、シスメックスUF5000、アークレイOSM6060、大塚製薬POConeを用いて検査を行い、交代で4~5名の技師が検査に携わっています。

  • 一般検査では、尿検査、便検査、髄液検査、穿刺液(胸水、腹水、関節液)検査などを行っています。

尿検査

機械や顕微鏡を使って尿中の成分を調べます。
尿は、水分を中心として、生体内の代謝活動で生じた老廃物などを含み、また病的状態では通常には出現しない物質が尿中に現れるので、尿検査は腎、尿路系、肝、内分泌系などの全身性疾患の診療にも重要です。

定性試験

試験紙を用いて実施します。
検査項目:蛋白、pH、潜血、比重、ケトン体、ビリルビン、糖、ウロビリノーゲン、白血球、亜硝酸塩

沈渣

遠心後、顕微鏡で尿中の有形成分を観察します。
尿沈渣中にみられる成分:赤血球、白血球、上皮細胞、細菌、円柱、結晶など

便中ヘモグロビン検査

この検査は、便に血液が混ざってないかを検査し、大腸がんをはじめとした消化管の出血性病変のスクリーニングテストとして使用されています。

寄生虫検査

直接塗抹法:糞便中の虫卵などを顕微鏡で観察し寄生虫感染の診断を行っています。 セロファンテープ法:蟯虫卵の検出に使用しています。

細菌検査

当院細菌室では、新病院移転を機に院内での培養検査を開始しました。塗沫検査から培養同定検査、薬剤感受性検査までの一般細菌検査を院内で行っています。また、結核菌群の遺伝子検査や新型コロナウイルスPCR検査も院内業務として運用しています。

4~5名の技師が検査に携わっています。

  • 感染症を引き起こす微生物には、細菌、原虫、真菌、ウイルスなどがいます。細菌検査は、これらの患者さんの感染症の原因となっている菌を調べています。
  • 検査対象となる材料は、喀痰、尿、血液、便などです。これらを顕微鏡で観察し、どのような細菌がいるかを調べることで診断に役立てています。
細菌検査