2021年度「病院情報の公表」

当院について

2021年度「病院情報の公表」

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 405 231 252 577 935 1305 2318 2662 2095 593

当院は、2020年8月1日に病院を移転し、友愛医療センター(旧:豊見城中央病院)へ名称が変わりました。移転後は新たに循環器センター、がん治療センターを設置し、高度専門的医療機能の強化および充実した医療の提供に努めております。今年度も昨年度に引き続きコロナ禍ではありましたが、前年度と比較すると入院数が若干増加しており、年間11,000人以上の患者さんが入院しております。
また、沖縄県南部医療圏の高度急性期病院としての役割である救急医療の対応を行いながらも、新型コロナウイルスについては沖縄の現状を全国へ発信しました。
当院は、地域医療支援病院の承認を受けており、地域医療機関や介護施設との連携を図ることにより、地域に根差した医療の充実に努めております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患(心臓カテーテル法による諸検査(検査入院)) 247 2.98 3.06 0.00
68.28
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患(経皮的冠動脈形成術等) 183 4.58 4.36 0.55 70.39
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患(心臓カテーテル法による諸検査+血管内超音波検査等(検査入院)) 104 3.10 3.27 0.00 70.82
050130xx9900xx 心不全 96 12.72 17.35 4.17 85.04
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 85 4.86 4.79 1.18 64.89

上位3位までを占めている狭心症は冠動脈の一部が何らかの原因で一時的に詰まってしまう病気で、慢性虚血性疾患はそれらが慢性的に引き起こり、胸部痛や息苦しさなどの症状が出現する状態をいいます。当院ではそれらの疾患に対して、検査目的での入院が多く、検査で異常がある場合は低侵襲的(身体の負担の少ない)手術治療または心臓血管外科へ外科的治療の紹介等も行っています。
緊急的な疾患への治療が迅速に行えるように、循環器内科医にてICU(特定集中治療室)の当直を受け持つことで365日24時間救急対応を可能にしており、虚血性心疾患、不整脈、弁膜症、心筋症、心不全などの循環器疾患以外にも、閉塞性動脈硬化症、腎動脈狭窄などの全身動脈疾患に対しても幅広く対応・治療を行っています。
当院ではハートチームとして医師や看護師、臨床工学技士やリハビリスタッフなど多職種がチームとなり、患者さんお一人おひとりに合った治療を提供するようにしています。患者さんのご希望も考慮し、どのような治療法にでも対応できる技術と機器をそろえているのが当院の強みです。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x
胆管(肝内外)結石、胆管炎(副傷病名なし) 232 6.14 9.21 2.16 72.31
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 82 7.60 7.70 0.00 65.30
060340xx03x01x 胆管(肝内外)結石、胆管炎(副傷病名あり) 62 15.34 17.28 8.06 80.48
060035xx03xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 58 6.90 6.78 0.00 68.34
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) 48 9.40 10.84 6.25 69.21

当院で一番入院の多い疾患は、 総胆管結石症という胆管にできる結石と、その結石や腫瘍で閉塞し貯留した胆汁が感染し炎症を起こす胆管炎での入院が多くあります。胆管炎は重症化するとショック状態や他臓器不全(心臓・肺・肝臓・腎臓などが十分に機能しない状態)となり、生命を脅かす状態になります。その状態を避けるため当院では、総胆管結石に対して原因治療(結石除去やステント留置など)を行っています。
続いて多いのが、大腸や小腸、胃など消化管の一部が外側に飛び出て袋状になる憩室性疾患で出血や感染による炎症が起こり入院するケースです。
そのほかにも、附属の健康管理センターと併せて、消化器がん領域の発見・治療に精力的に取り組んでいます。夜間・休日の内視鏡センター緊急稼働回数は年間160~180回となっており、沖縄県南部エリアの消化器内科救急を担い、地域医療に貢献しています。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 37 15.59 18.42 8.11 75.41
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 27 14.56 13.12 14.81 73.07
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 23 9.48 13.41 8.70 74.70
040100xxxxx00x 喘息 22 7.00 6.24 4.55 57.05
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 12 21.58 19.22 8.33 83.00

当院で一番多い入院は間質性肺炎で、肺の間質と呼ばれる肺胞(隔)壁に、「炎症」や「線維化」をきたす疾患群です。その原因は多岐にわたり、診断や治療は非常に困難を要する重要な疾患です。最も多いのは原因不明で(約4割程度)、その他原因の明らかな間質性肺炎が多数あり、診断や治療には呼吸器内科医の専門的な診断と治療が必要となります。
また、近年、切除不能な進行・再発肺がんの分野に対して分子標的治療薬(がん細胞の発生や増殖に関わる特定の遺伝子のみを攻撃する治療薬)や免疫チェックポイント阻害薬(がん細胞が、がん細胞を攻撃する免疫細胞の活性化にブレーキをかけないようにするための薬)などの内科的治療が飛躍的に進歩しており、当科でも積極的な導入により素晴らしい治療成果を得ています。
当科では、エビデンスに基づく最新の情報をキャッチし、患者さんへ最新最良の標準的治療をお届けできるようにしていきます。

腎臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 56 18.38 19.22 10.71 80.32
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 55 10.71 13.14 7.27 73.84
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(手術なし) 49 5.88 10.39 2.04 51.57
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 38 12.37 20.57 13.16 79.79
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(上腕動脈表在化法等) 24 8.54 7.87 4.17 73.71

当科では専攻医もあわせると10名近くの医師が在籍し、それぞれの得意分野を生かして、慢性腎臓病、腎炎、ネフローゼ症候群、電解質、腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)に至るまで幅広く診療しています。
そらまめ外来では、腎機能障害が進行し、腎不全に至るのが免れない場合、適切な時期に腎代替療法として血液透析・腹膜透析・腎移植の3つの治療選択について説明させていただきます。患者さんが安心してご病気と向き合い、治療を選択できるよう多職種でサポートさせていただいております。当院の多職種連携による患者様へアプローチを行っていることが特徴で全国的にも注目されています。国内はもとより、国内外での学会発表も積極的に行い、腎・透析領域における新薬創設の臨床治験にも積極的に協力しています。これらのパフォーマンスを維持しさらに発展させると同時に今以上により多くの患者さんに還元し、地域医療に貢献していく所存でございます。さらに、腎臓病を中心とした地域の医療に貢献できる医師の育成にも力を入れています。

リウマチ膠原病内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 32 7.97 13.14 6.25 79.50
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 20 8.60 20.57 55.00 80.00
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患(手術なし、処置なし) 20 19.80 14.75 5.00 45.60
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 19 13.95 19.22 15.79 83.89
070560xx99x70x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患(ガンマグロブリン使用) 21.03

当科では、全身の自己免疫疾患である膠原病(全身性エリテマトーデス・皮膚筋炎・多発性筋炎・全身性強皮症など)や関節リウマチの診療を行っております。日本リウマチ学会リウマチ指導医・専門医やリウマチ財団認定看護師、リウマチ財団認定薬剤師など多職種によるチーム医療を実践しております。患者さんの症状を改善し、できる限り通常の日常生活やライフイベントを送っていただくことを目標に、それぞれの患者さんに応じた治療提供をさせていただいております。県内外の医療機関、かかりつけの先生からリウマチ膠原病専門医療機関の専門医に至るまで、様々な医療機関から多くの患者さんを受け入れております。
※症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。

糖尿病内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 30 14.33 19.22 13.33 82.60
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 29 17.03 20.57 20.69 85.10
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 22 12.73 13.14 4.55 75.27
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 10 22.50 18.90 80.00 63.70
080010xxxx0xxx 膿皮症 13.07

当科は豊見城中央病院の生活習慣病センターと連携して、地域の糖尿病及び内分泌疾患の診断と治療を行っており、日本糖尿病学会認定教育施設として認められた県内有数の施設となっております。
当院他科で糖尿病または内分泌疾患を合併している患者さんを併用して診断・治療をしており、糖尿病は「健康人と変わらないQOL(生活の質)を保ち、健康人と変わらない寿命を全うすること」を治療目的とし、食事や運動療法を第一に、内服薬、インスリン治療などで血糖コントロールを行い糖尿病の合併症予防に取り組んでおります。
※症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 76 6.33 5.83 2.63 0.66
040100xxxxx00x 喘息 49 5.49 6.24 0.00 3.51
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 45 7.62 11.01 2.22 0.00
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 21 6.24 6.13 0.00 0.00
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 19 1.74 2.13 0.00 1.63

近年、小児医療では喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎を中心にアレルギー疾患が増加傾向にあります。当院はアレルギー専門医、アレルギーエデュケーター(PAE)の資格を持った看護師、薬剤師が在籍しており、外来や入院での食物負荷試験、喘息治療の吸入指導も積極的に行っております。
また、産婦人科と連携して35週以上の新生児を中心に管理しており、当院で生まれた赤ちゃんの1ヶ月検診や予防接種なども行っております。
専門外来は毎週木曜日午後に行っており、1つ目は小児腎臓外来で学校健診からの二次精査、そのフォローアップを行っています。
2つ目は小児循環器外来で新生児期からの先天性心疾患、川崎病の冠動脈病変、学校健診からの心電図異常、心雑音などの精査およびフォローアップを行っています。
小児科はこどもの総合内科であり、当科も一般小児科全般を取り扱っておりますが、血液、内分泌疾患などより高次医療機関での治療が望ましいと判断した場合は、他医療施設への転院(ご紹介)などもさせていただいております。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 82 4.22 4.74 1.22 67.68
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 76 4.93 6.25 0.00 59.26
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 70 15.16 15.76 0.00 69.07
060335xx02000x 胆嚢炎等 60 6.37 7.11 0.00 58.78
060150xx03xxxx 虫垂炎 44 4.89 5.40 0.00 39.05

外科は消化器外科・呼吸器外科・乳腺外科・移植外科など専門領域に特化した医師が安全で適切な治療を提供できるよう、外科医全員がお互いをサポートしながら、連携協力を行っております。
当科で入院の多い鼠径ヘルニアは、お腹の中にある腸の一部が大腿の付け根部分(鼡径部)から飛び出てくる状態のことで、いわゆる脱腸のことです。初期状態では痛みもなく、押すとお腹の中に引っ込みますが、自然に治ることはありません。そのため手術治療による早期根治を行います。
当院では悪性腫瘍(いわゆるがん)治療数も多く、多くのがん専門スタッフが協力し合い、患者さんの治療を適切に行えるように努めております。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 502 15.63 23.02 36.06 73.18
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 222 14.75 20.63 14.86 68.25
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 212 19.67 25.32 76.89 82.08
160760xx97xx0x 前腕の骨折 96 2.48 4.99 1.04 60.80
070343xx97x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 74 18.22 19.85 17.57 66.12

当院の整形外科は全ての分野に関して単にリハビリ治療だけでなく手術でも対応しており、膝・股関節症に対する手術患者さんが多く入院されその数は全国でもトップレベルの件数となっております。沖縄本島全域だけではなく離島や他県からの紹介患者さんも多く来院されております。
またクリニカルパス(治療内容をスケジュール化したもの)を積極的に使用しており、患者さん自身のゴールを可視化しADL(日常生活動作)の向上を目指した治療に努めており、平均在院日数も全国に比べて短いです。入院早期のリハビリ介入や多職種によるカンファレンス等で情報共有を行い、自宅退院を目標としておりますが、継続的に入院でのリハビリ治療が必要な患者さんは回復期の医療機関へ転院していただくこともあり、退院に向けて患者さんに合わせたケアを心がけております。

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 31 1.10 4.17 0.00 6.13
080010xxxx0xxx 膿皮症(処置なし) 13 11.77 13.07 0.00 41.31
080010xxxx1xxx 膿皮症(遊離皮弁術等) 10 21.60 24.40 0.00 32.40
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 4.66
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 5.16

当科は顔面・手足その他の部位の外傷や顎変形症などの後天性変形の外見的・機能的に配慮しながら修復再建を行うものから、皮膚にできた腫瘍(良性・悪性)に対して手術やレーザー治療をするもの、しわやニキビ跡に対してのレーザーを行うものなど治療は多岐に渡ります。
当科で多いのは、黒あざ・赤あざ・青あざなどの皮膚のあざ(母斑)に対してレーザーや手術治療などで入院される患者さんです。小児患者だけではなく大人も治療を行っており、日帰り入院での治療も可能です。

  • 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率
平均年齢
患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤(動脈造影カテーテル法) 56 2.00 2.99 0.00 62.46
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷(その他手術あり) 47 9.74 9.78 8.51 80.19
010070xx9910xx 脳血管障害(動脈造影カテーテル法) 26 2.27 3.22 0.00 74.15
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷(手術・処置なし) 23 4.57 8.30 8.70 71.22
010030xx03x0xx 未破裂脳動脈瘤(脳血管内手術等) 21 6.14 9.35 0.00 63.33

日本人の死因第4位に脳血管障害(脳動脈瘤、脳梗塞など)がありますが、当科ではそれらの疾患の検査目的で入院する患者様も多く、病気の早期発見・治療を行うことで、患者さんの生命を守り健康維持に寄与しています。脳卒中疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)は一刻を争う疾患のため、当院では24時間365日迅速に治療対応できる体制をとっております。近年、脳血管内治療やt-PA(血栓溶解療法)なども積極的に治療に取り入れており、治療適応の幅や治療方法の選択肢が広がってきています。
2020年8月の病院移転後から放射線治療が始まったことにより、脳腫瘍に対して集学的(手術・放射線・薬物・免疫療法を組み合わせて行う)治療を当院でも行うことができるようになりました。

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 34 18.00 21.93 0.00 62.24
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 24 23.63 21.69 12.50 66.88
050163xx03x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 14 10.79 15.18 0.00 76.93
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 13 6.31 5.32 0.00 75.08
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 13 2.15 2.75 0.00 68.62

当科の目指す心臓血管外科治療は、(1)原疾患に対する根治術、(2)術後ADL(日常生活動作)を落とさない周術期(手術前後を含めた一連の期間)管理、(3)危機的状態にある患者様の救命です。
当科で1番多い入院となっている弁膜症とは、血液が常に一方向に流れるように維持し逆流を防止する”心臓弁”の働きが悪くなった状態です。症状は息切れ、胸の痛み、むくみ、呼吸困難などがありますが、初期の段階では症状が分かりにくい場合や無症状の場合もあるため、健診等における聴診で心雑音を指摘され、心臓エコー検査で判明することが多い病態です。当院ではこの弁膜症に対する手術入院を行っております。
循環器内科医とも連携し、あらゆる循環器疾患に対して最適な治療を提供できるよう努めております。
当院における術後心臓リハビリは、心臓専門のリハビリスタッフによる安全で速やかな心臓リハビリを行うことが重要となります。心臓リハビリでは早めに体力を回復することと、術後に起きるかも知れない様々な合併症を予防することが目的となります。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 52 3.88 5.37 0.00 33.60
120140xxxxxxxx 流産 47 1.62 2.44 0.00 36.55
12002xxx03x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 43 1.09 2.56 0.00 52.21
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 39 8.56 9.46 0.00 44.90
120220xx02xxxx 女性性器のポリープ 36 1.06 2.32 0.00 42.58

産科(周術期)、婦人科、不妊治療と3つの領域別で治療を行っており、婦人科では、悪性腫瘍だけではなく、子宮や卵巣の良性腫瘍に対する手術なども行っています。
不妊センターでは、体外受精や人工授精治療を行っており、他科と連携し合併症コントロールを行いながら不妊治療ができます。また、助産師や公認心理士などによる出産に関するメンタルケアサポート体制などもあり、妊娠から分娩管理までできる県内有数の施設であり、年間500例程の分娩を扱っております。
また出産後の体制として、対面で行っていた子育て勉強会「両親学級」は2021年からZoomでの利用を開始し、コロナ禍でも安心してスタッフと関われるようになりました。
当院では専門医師が、頻繁に協議を行うことで独断を排し、あらゆる症例に対して一定で常に高い水準での医療を実践しております。 また、産科では胎児の集中モニタリングシステムなど最新設備を導入し、マンパワー・技術・設備のいずれをとっても大学病院に比肩されるレベルを有しております。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 29 5.17 6.47 0.00 49.52
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 24 7.13 7.84 0.00 29.92
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 19 6.63 7.03 0.00 50.79
030340xxxxxxxx 血管運動性鼻炎、アレルギー性鼻炎<鼻アレルギー> 14 4.86 5.64 0.00 32.64
030390xx99xxxx 顔面神経障害 13 8.23 9.01 0.00 49.69

耳鼻咽喉科領域全般の診療を行っていますが、特に副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの鼻疾患の手術治療に力を入れています。
副鼻腔炎とは、かぜのウイルスや細菌、アレルギーなどにより副鼻腔の粘膜に炎症がおき、腫れたり鼻水がでてくる病気で、蓄膿症(ちくのうしょう)と呼ばれることもあります。お薬や副鼻腔の洗浄などの保存的治療で症状が良くならず継続(慢性化)する場合は手術療法が必要になります。また、クリニカルパス(治療内容をスケジュール化したもの)を導入することで、副鼻腔炎での入院日数も削減することができています。

腎・泌尿器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍(前立腺生検法)(検査入院) 161 2.27 2.50 0.00 72.16
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 85 5.34 5.56 2.35 63.48
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 51 7.61 7.02 0.00 70.53
110420xx02xx0x 水腎症等 30 3.80 3.99 0.00 73.57
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 23 12.43 10.63 0.00 65.61

当科では、患者さんお一人おひとりに対応した治療を提供できるよう心がけています。
当科で一番多い入院は、前立腺癌の検査入院となっております。検診や血液検査などでがんの疑いがある患者さんの確定診断に必要な検査で、前立腺の組織を採取し、顕微鏡で確認するために入院します。がんが確定された場合は、進行度(病期:ステージ)などの確認を行い、患者さんの状態や希望に合わせて放射線療法や化学療法、手術療法などの治療を行っていきます。膀胱癌や腎癌などについてはがんの確定後、手術適応となり入院された患者さんが多くいます。
また、上部尿路疾患での入院患者さんも多く、尿管結石や腎結石(尿管や腎臓に石ができる)で自然に排出されない大きさのものは入院にて結石除去の手術を行っております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

初発 再発
病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV
不明
胃癌 24 12 25 16 1 8
大腸癌 37 52 57 43 84 22 1 7,8
乳癌 14 17 14 1 8
肺癌 18 12 33 22 20 1 8
肝癌 11 26 17 1 8
  • 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

当院も全国と同様に大腸癌患者が多い傾向にあります。
がん治療には大きくわけて手術・化学療法(薬物療法)・放射線治療があります。
当院は2020年8月1日の病院移転に伴い、がん治療センターの設置、放射線治療の導入、化学療法室のベッド数を約2倍へ拡充&車椅子を考慮した広さの確保など、がん患者さん個々に合わせた効果的な治療体制への機能が向上しました。
また、移転後に沖縄県で初めてがん性腹水治療センターを開設し、改良型CART(KM-CART)治療を導入しました。改良型CARTとは、がん性腹水の苦痛を緩和し、患者さんのQOL (生活の質)が大きく改善できる治療法です。従来のCART治療では難しかった大量の腹水(20L以上)を安全に短時間で処理できるようになり、これにより全身状態(栄養状態・腎機能)が回復し、化学療法や手術などのがん治療継続も可能となります。
さらに2021年度からは、がんと診断された段階から院内の緩和ケアチームが患者のサポートに入り、治療の一環として心身のケアにも積極的な取り組みを開始しました。
当院では、2021年よりがん診療体制整備委員会を立ち上げました。友愛医療センターのがん診療に携わる各部署が一体となり情報を共有し協力し合いながら、より質の高いがん診療を行うためです。委員会の下部組織には様々な部会やワーキンググループで構成されており、例えば、難しい症例の診断や治療方針を各科の医師やコメディカルで検討するキャンサーボード部会やUIC-net部会(※1)などがあります。また、UIC-net部会では院内外向けに講演会(UIC-net講演会)も開催しており、最新の治療や当院での取り組みを知ることができます。
(※1) UIC-netとは、友愛(UI)医療センターがん(Cancer)診療networkに由来する名称です。友愛医療センターのがん診療部門と地域の医療機関との密接な連携によって、一人ひとりの患者さんにより的確で効果的ながん診療を行うため、最新の当院がん情報を地域の各医療機関に提供し、議論を通じて共有する、地域連携、がん登録、教育研修、ホームページ運営、がん相談支援の各ワーキンググループ(以下WG)からなる組織横断的ネットワークです。

  • 病期分類基準(※):UICC病期分類
  • 確定診断前の検査入院等の患者さんについては、ステージ分類「不明」でカウントされております。
  • 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 20 8.40 56.85
中等症 84 10.98 77.06
重症 22 14.59 84.05
超重症 10 15.40 87.70
不明

肺炎は日本人死因の第5位(2020年)であり、重要な疾患です。成人肺炎は市中肺炎(CAP)、医療・介護関連肺炎(NHCAP)、院内肺炎(HAP)に部類されます。基礎疾患がない又は軽微な方におこる市中肺炎、何らかの基礎疾患を有し、医療や介護の対象となっている方に起こる医療・介護関連肺炎、入院中の患者さんに発生するものを院内肺炎と称します。それぞれ患者背景や原因微生物の種類が異なっていることがあり、正しい診断と治療が必要になります。
前年度に比較すると成人市中肺炎患者は減少しており、例年と同様に中等度症状の患者が一番多く入院しています。今年度患者数をみると肺炎重症度が軽症から超重症にかけて平均在院日数が増加し、平均年齢も高くなる傾向となっております。

  • 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。

脳梗塞の患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 212 19.87 75 33.76
その他 25 19.88 73.88 5.06

脳梗塞は、脳へ血液を送る血管がつまり、脳細胞が死んでしまう病気です。血管がつまると半身麻痺や言語障害といった症状が突然現れます(無症状の場合もあり)。脳梗塞は首や脳の血管で動脈硬化が進行し、血流が妨げられて起こる「アテローム血栓性脳梗塞」、脳の奥の方に細い血管が詰まることで起こる「ラクナ梗塞」、心臓の中にできた血栓が脳の血管に運ばれ、血管が詰まることで起きる「心原性脳梗塞」の3つの分類に分けられます。
当院は、症状が発症してから3日以内に入院された患者さんが多く、当院治療後に転院してリハビリ治療を継続することがあります。内科にて初期対応や全身管理を行い、脳神経外科にて急性期治療(血栓溶解療法や血栓除去術)を行っており、早期治療介入で後遺症を残さずに回復することが見こめます。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 129 1.65 2.80 0.78 69.92
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 118 1.24 3.07 0.85 66.29
K5481 経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの) 高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの 40 1.38 5.80 0.00 73.25
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 38 0.13 9.08 2.63 70.21
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 37 1.92 4.73 5.41 71.54

当科では虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)に対して、経皮的冠動脈ステント留置術の治療を多く実施しています。ステント留置術とは動脈形成手術後の再閉塞や再狭窄のリスクを低減させるための治療法で、ステントという拡張可能な小さいメッシュ状の金属の筒を血管に留置し、血管の開通性を保持し再閉塞を予防します。
2021.7月には、沖縄県で2施設目となるTAVI(経カテーテル大動脈弁治療)を導入しました。TAVIとは経皮的大動脈弁植え込み術の略称で、重症の心臓弁膜症に対する新しい治療法です。血管からカテーテルという細い管を挿入して患者さんの心臓に人工弁を設置するので、患者さんの体への負担が少なく、ご高齢者や体力が低下している方の心臓弁膜症治療の可能性が広がりました。ハートチームとして心臓血管外科と協同で患者さんの治療にあたります。

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 239 0.95 8.60 2.93 75.38
K6852 内視鏡的胆道結石除去術 その他のもの 76 1.01 3.79 1.32 68.62
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 66 0.98 4.86 0.00 67.15
K654 内視鏡的消化管止血術 61 0.44 8.72 13.11 68.41
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 35 2.37 2.03 0.00 66.29

最も多い手術は、内視鏡的胆道ステント留置術となっております。総胆管結石、膵臓がんや胆管がんなどにより、胆管や膵管が狭窄(狭くなること)し、胆汁や膵液の流れが悪くなっているときに、ステントという管を入れて、胆汁や膵液の流れをよくする治療がステント留置です。当院は上部・下部の緊急止血術、緊急胆道ドレナージは週に何件もあり、年間365日24時間対応を行っております。
また、件数上位にあります、早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術や内視鏡的大腸ポリープは腫瘍に対して行う内視鏡的手術です。これまで外科手術等で切除しなければいけなかった大きな病変に対しても、一定の大きさ・深さのがんであれば、内視鏡で取り除くことができます。当法人付属の健康管理センターでは多くの胃内視鏡検診を実施しているため、食道、胃においては早期で見つかり、内視鏡治療を実施することが多いです。

腎臓内科

Kコード 名称 患者数
平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
平均年齢
患者用パス

K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 40 6.53 6.43 5.00 71.88
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 21 2.90 6.43 9.52 70.76
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 11 1.09 11.00 0.00 60.00
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施) 11 3.36 3.82 9.09 74.73
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 10 6.20 13.20 10.00 77.60

腎臓の働きが悪くなった患者さんが、血液透析治療を行う際に必要な処置として内シャント造設術があります。この手術は腕や手首にある動脈と静脈をつなぎ合わせて、静脈に大量の血液が流れるようにルートを作り、そこから持続的な血液採取を可能にします。内シャント造設術は、当院通院患者さんだけではなく、近隣の施設から透析導入のための作成やシャント閉塞による再作成での紹介依頼もあります。
当科では、外科医の協力のもと長期留置カテーテル(太い静脈にカテーテルを入れて、カテーテルから血を脱血・送血して透析を行えるようにする)は腎臓内科医、シャント拡張術・血栓除去術は腎臓内科医や外科医のどちらも行える体制をとっております。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 154 1.21 3.88 0.00 59.50
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 68 3.46 12.60 1.47 68.62
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 53 0.94 2.00 1.89 65.21
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 42 0.40 3.26 0.00 38.86
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 36 1.75 2.97 5.56 65.78

外科では腹腔鏡下手術を数多く施行しており、これは患者のお腹に5mm-12mm程度の小さな穴を複数箇所開けて、内視鏡や器具を挿入し臓器などを切除する手術方法です。小さな傷跡で術後の痛みも少なく出血量が抑えられ術後の痛みが少なく、術後の回復(退院)が早いというメリットがあります。
消化器外科領域では、患者さんに安全で適切な手術治療を提供できるように、大腸、胃、肝臓、膵臓の診療グループによる専門領域別に習熟した治療体制を基本としています。
呼吸器外科領域では肺癌や自然気胸、肺生検の等手術では胸腔鏡の導入(腹腔鏡下と同様のメリットあり)を行い、患者さんへの身体負担の低い手術を主体としております。
乳腺外科領域では、乳房MRIでしか発見できない乳がんも存在します。MRI発見乳がんの診断はMRIガイド下針生検が必要となりますが、県内では当施設のみが行っています。
また、2004年から慢性腎不全の患者さんに対して腎移植手術を開始し、コロナ禍の現在でも年間十数件の移植を行う全国でも有数の移植施設となっております。

整形外科

Kコード 名称
患者数
平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 754 1.27 13.08 28.38 71.81
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 164 1.38 14.81 60.37 79.86
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 141 4.25 17.87 28.37 68.09
K0462 骨折観血的手術(前腕) 102 1.09 4.89 6.86 67.00
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕、下腿) 96 0.32 1.76 0.00 49.39

当科は全ての整形外科領域に関して手術を行える体制が整っている病院であり、年間2,400件以上の手術をしております。
変形性膝関節症や変形性股関節症に対する人工関節置換術は全国でもトップレベルの件数を行っております。
上肢外科では、関節滑膜炎、肩関節拘縮や肩腱板断裂に対して低侵襲(患者さんへの負担が少ない)の鏡視下手術を積極的に行っております。
脊椎外科では腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症や頚椎症性脊髄症などの疾患を中心に、手術用顕微鏡を使用して手術を行っています。
また外傷やスポーツ疲労による軟骨損傷に対する自家培養軟骨細胞移植(ジャック®)を行う施設は沖縄県では当院のみ(2021年度時点)となっております。

形成外科

Kコード
名称
患者数
平均
術前日数
平均
術後日数
転院率
平均年齢
患者用パス
K753 毛巣洞手術 14 1.00 10.71 0.00 24.71
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 11 0.18 1.45 0.00 10.64
K0021 デブリードマン(100cm2未満)
K0503 腐骨摘出術(足その他)
K084 四肢切断術(下腿)

当院では主に、良性・悪性の皮膚腫瘍、粉瘤、脂肪種、石灰化上皮腫、イボ、しこりなど皮膚や皮膚の下のできものの手術を行っております。
また、術後感染・壊死組織の除去や洗浄などを行うデブリードマン、骨髄炎等による壊死した骨の除去を行う腐骨摘出手術、糖尿病性壊疽や閉塞性動脈硬化症による足の血行が悪くなり壊死・感染に至った場合の手術も行っております。

  • 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。

脳神経外科

Kコード
名称
患者数
平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 48 0.31 9.98 12.50 80.42
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 26 4.19 5.42 11.54 73.96
K178-4 経皮的脳血栓回収術 25 0.36 28.92 44.00 76.60
K1781 脳血管内手術(1箇所) 24 0.67 15.50 16.67 64.42
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) 23 0.61 43.57 95.65 64.09

慢性硬膜下血腫(頭部外傷などにより脳を覆う硬膜と脳との間に血液が貯留する)に対して穿孔洗浄術という、頭蓋骨に穴を開けて貯留していた血液の排出・洗浄を行う手術を多く施行しております。
最近は、脳卒中治療のなかで脳血管内治療という分野が注目されています。この脳血管内治療の特徴は、脳卒中という恐ろしい病気を、痛みを少なく、さらに体への負担を軽く治療できるということです。それだけではなく、従来の開頭手術に脳血管内治療を加えることで、脳神経領域疾患の治療適応の幅および治療方法の選択肢が拡がり、それまでは治療困難であった疾患を治すことが可能になりました。
当院脳神経外科ではこの脳血管内治療に力を入れています。脳血管内治療設備が充実しており、さらに脳血管内治療を24時間365日迅速かつ的確に施行できるよう訓練された沢山のスタッフがいます。

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 31 4.65 17.84 9.68 68.10
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 25 1.64 12.88 8.00 78.36
K5551 弁置換術(1弁) 17 4.35 21.94 0.00 74.00
K554-21 胸腔鏡下弁形成術(1弁) 11 2.45 9.09 0.00 52.00
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 11 0.09 1.09 0.00 69.55

虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)の原因となる心臓の筋肉の血流不足を改善する手術として、「心拍動下冠動脈バイパス術」という人工心肺を使用せず心臓が動いた状態で狭くなった血管の先に新しい血管(バイパス)をつなぎ血流の流れをつくる手術を行うことで、患者さんへの体の負担や術後合併症が少ない手術を行っております。
また、当科では開心術に比べて傷が小さく患者さんへの身体的負担や痛みの少ない低侵襲的心臓外科手術(MICS)に力をいれております。基本的に胸部の骨を切開・離断しませんので術後の運動制限はありません。 当院における対象疾患は、1) 単枝および多枝冠動脈硬化症、2) 心臓弁膜症全般、3) 上行大動脈瘤、4) 心房中隔欠損症および心臓腫瘍、です。MICSが可能かどうかは患者さんの体つき(胸部の解剖学的な条件)および全身状態から判断されます。手術を受けられる患者さんには入念な術前検査による全身評価と、術後の体力を早期に回復させるために手術翌日からの早期心臓血管リハビリを積極的に行っており、術後2週間以内の自宅退院を目指しております。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K861 子宮内膜掻爬術 99 0.04 0.29 0.00 47.80
K877 子宮全摘術 38 1.05 7.61 0.00 49.05
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 33 0.94 3.18 0.00 41.30
K9091イ 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) 32 0.09 0.22 0.00 37.72
K867 子宮頸部(腟部)切除術 28 0.93 0.93 0.00 45.21

当科で最も多い子宮内膜掻爬術は、子宮内膜を一部検査する子宮内膜組織検査で癌か内膜増殖症など診断ができない場合に、子宮内膜の全面を掻き出して組織を採取し顕微鏡で検査を行うもので、子宮体がんの確定診断に必要なものとなっております。
当科では、特に妊孕性温存治療(妊娠する力を保つこと)に重きを置いており、子宮頚部異形成や初期の子宮頚がんに対しては薬物塗布療法による治療を行っています。
また、悪性腫瘍だけでなく、子宮筋腫や卵巣のう腫に対する治療も行っています。腹腔鏡技術認定医2名が在籍しており、体への負担が少ない腹腔鏡手術も行っています。

耳鼻咽喉科

Kコード 名称
患者数
平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 29 1.00 5.31 0.00 30.28
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 23 1.00 3.26 0.00 49.74
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 12 1.00 4.50 0.00 55.58
K344 経鼻腔的翼突管神経切除術
K347-5 内視鏡下鼻腔手術1型(下鼻甲介手術)

当科で多い手術は、口蓋扁桃手術です。この手術は扁桃炎を繰り返す患者さんに行います。
特に副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの鼻疾患の手術治療に力を入れています。特に当院では内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)を導入してから10年以上が経過しており、その症例数も年々増加傾向にあります。
これまでの「痛く、つらい」副鼻腔手術のイメージから、より安全で負担の少ない鼻の手術提供を目指していきたいと考えております。
当科では低侵襲な内視鏡手術にて患者さんの負担が少ない手術を目指していきます。

  • 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。

腎・泌尿器外科

Kコード
名称
患者数
平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 83 0.42 3.99 2.41 63.61
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 63 0.78 5.73 0.00 69.10
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 51 1.04 5.57 0.00 70.53
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 32 2.00 10.47 0.00 66.53
K800-2 経尿道的電気凝固術 19 1.00 4.37 0.00 66.00

経尿道的尿路結石除去術(レーザー)という、尿路結石症(腎・尿管・膀胱に結石ができる病気)に対して尿道から内視鏡カメラを挿入し、レーザーで石を粉砕することで体から結石を取り出すことで痛みや通過障害などを取り除くことができる手術を行っており、沖縄県内でも上位の手術件数となっております。
また腎臓や膀胱など悪性腫瘍に対する手術も行っており、腎摘出手術については、腹腔鏡下という低侵襲(出血や痛みが少なく回復が早いため患者さんの体に負担が少ない)手術も行っております。
また、2022年度よりロボット手術も行う予定で進めております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群
同一
異なる
180010 敗血症
同一 119 1.05
異なる 145 1.27
180035 その他の真菌感染症
同一
異なる
180040
手術・処置等の合併症
同一 110 0.97
異なる 15 0.13

当院で最も多い症例となっている敗血症は、菌血症やほかの感染症に対する重篤な全身性の反応に加え、体の重要な器官(臓器)の機能不全が起こり、やがて死に至る可能性がある病気です。そのため、敗血症は早期治療が必要な病気の1つになります。当院での敗血症の全体数は前年度と比較すると増加しており、入院契機だけではなく、入院中の発症も一定数いることがわかります。
手術・処置等の合併症は、透析シャント狭窄症や術後出血や創部感染、体内整形外科的の挿入物の合併症などがあります。他院にて血液透析中の患者さんについても、シャントに関する治療は当院で実施されることがあり、患者数としては多い傾向にあります。

  • 症例数が10件未満のものについては、患者さんが特定され得るため情報は掲載いたしません。

更新履歴

2022年9月30日