診療科・部門
お腹のヘルニアセンター
友愛医療センター
「もしかしてヘルニア?」と思ったら、まずはご相談ください。
お腹のふくらみや違和感をひとりで抱え込まないでください。専門医が丁寧に診察し、最善の治療をご提案します。
ごあいさつ/特長
開設の趣旨
近年、ヘルニア(脱腸)は比較的よく知られた病気になりましたが、「恥ずかしい」「年齢のせい」「手術は怖い」などの理由で受診をためらわれる方が少なくありません。
この度、友愛医療センターは「お腹のヘルニアセンター」を開設しました。鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)をはじめ、腹壁ヘルニア・臍(さい)ヘルニア・食道裂孔ヘルニアなど、お腹に関連するさまざまなヘルニアを専門的に診断・治療する体制を整えています。「気になる症状がある」「かかりつけ医からヘルニアの疑いがあると言われた」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
YMCの強み
- 専門医による診療:日本外科学会専門医・消化器外科専門医が中心となり、確実な診断と治療を行います。
- 豊富な症例数:年間110件前後のヘルニア手術を行っており、難易度の高い症例や再発例にも対応できる体制を整えています。
- 低侵襲手術:傷の小さな腹腔鏡手術を標準術式として採用。術後の痛みが少なく、早期退院・早期社会復帰が可能です。
- 多職種チームによるサポート:外科医・麻酔科医・看護師・リハビリスタッフ・地域連携室が連携し、入院前から退院後まで一貫したケアを提供します。
代表者メッセージ
ヘルニアは自然に治ることはありませんが、適切な治療を受ければ多くの場合、根治することができます。お腹のふくらみや違和感、鼠径部の痛みなど、ちょっとしたサインを見逃さないでください。当センターでは、患者さんの不安に寄り添いながら、一人ひとりに最適な治療をご提案してまいります。どうぞお気軽にご相談ください。
お腹のヘルニアセンター 責任者 仲地厚
ヘルニアとは
どのような病気か
ヘルニアとは、お腹の中の臓器(主に腸や脂肪組織)が、筋肉や筋膜などの隙間から体外・体腔内に飛び出してしまう状態のことです。お腹の皮膚の下にぽっこりとした膨らみが現れることが多く、立ち上がったり力んだりすると膨らみが大きくなり、仰向けになると引っ込むという特徴があります。
ヘルニアは自然に治ることはなく、放置すると飛び出した腸がヘルニアの出口で締め付けられ(かんとん)、激しい痛みや腸閉塞・腸壊死といった重篤な状態になる危険があります。症状に気づいたら、早めに専門医へご相談ください。
原因・なりやすい人
- 加齢:筋肉や筋膜が弱くなる中高年以降に多く見られます。
- 性別:鼠径ヘルニアは男性に圧倒的に多い疾患です(男性の生涯発症率は約27%)。女性には大腿ヘルニアが比較的多い傾向があります。
- 腹圧の上昇:重い物を持つ仕事・慢性的な便秘・長時間の立ち仕事・肥満などが原因になります。
- 手術歴:開腹手術後の傷の部分が弱くなり、腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)ヘルニアが生じることがあります。
症状・セルフチェックリスト
一つでも当てはまる場合は、お気軽に当センターへご相談ください。
放置するとこんなリスクが
ヘルニアは自然に治る病気ではなく、放置すると徐々に悪化します。最も注意すべき合併症が「嵌頓(かんとん)」です。脱出した腸がヘルニアの出口で締め付けられると血流が途絶え、激しい腹痛・嘔吐・発熱が起こります。嵌頓は緊急手術が必要な状態であり、腸壊死が起きると腸の切除が避けられません。「痛みがないから大丈夫」と思わずに、早めの受診をお勧めします。
当センターの対象疾患
当センターでは以下のヘルニアを診療しています。
- 鼠径ヘルニア(脱腸):足の付け根から腸が飛び出す最も多いタイプ。男性に多い。
- 大腿ヘルニア:太ももの付け根(大腕部)から飛び出すタイプ。やせ型の中高年女性に多く、嵌頓のリスクが高い。
- 臍ヘルニア(でべそ):へその部分から飛び出すタイプ。肥満・妊娠後の女性に多い。
- 腹壁瘢痕ヘルニア:過去の手術や外傷の傷あとから飛び出すタイプ。
- 白線ヘルニア:みぞおちから下腹部の正中線付近から飛び出すタイプ。
- 食道裂孔ヘルニア:横隔膜の食道が通る穴から胃の一部が胸腔内に飛び出すタイプ。胸焼け・逆流性食道炎の原因になります。
上記以外のヘルニアについてもお気軽にご相談ください。
当センターの治療法・治療体制
術式と治療の特徴
ヘルニアの根本的な治療は手術です。当センターでは患者さんの状態・ヘルニアの種類・大きさ・生活状況に応じた最適な術式をご提案します。
腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP法・TEP法)
腹部に5~15mmの小さな穴1~3ヵ所開けてカメラと器具を挙入し、ヘルニアの出口をメッシュ(人工補強材)でふさぐ手術です。開腹手術に比べ傷が小さく、術後の痛みが少ないため早期回復が可能です。鼠径ヘルニア・大腕ヘルニアに特に有効で、両側同時に治療できるメリットもあります。
開腹(前方)アプローチ 腹腔鏡手術が難しい場合(過去に開腹手術が多い方・全身状態によっては)、鼠径部を直接切開して修復する方法も選択します。局所麻酔での手術も可能で、全身麻酔のリスクが高い患者さんにも対応しています。
臍ヘルニア・腹壁瘢痕ヘルニアへの対応
臍ヘルニアや腹壁璃痕ヘルニアは欠損孔の大きさにより術式が異なります。小さい欠損は直接縫合で修復し、大きい欠損にはメッシュを用いて確実に補強します。腹腔鏡下手術にも対応しており、侵襲を最小限に抑えます。
多職種チームによる治療体制
- 外科医:術式選択から手術・術後管理まで一貫して担当します。
- 麻酔科医:全身麻酔・硬膜外麻酔・局所麻酔など、患者さんに合った麻酔を選択します。
- 病棟・外来看護師:入院前のオリエンテーションから退院指導まで、きめ細かくサポートします。
- 理学療法士:術後の離床・リハビリをサポートし、早期回復を促します。
- 地域連携室:かかりつけ医・近隣医療機関との連携を円滑に行い、術後のフォローアップを継続します。
当センターに関連する治療実績
当センターにおけるヘルニア手術件数(直近3年間)は以下のとおりです。
| 2023年 | 2024年 | 2025年 | 計 | |
|---|---|---|---|---|
| 鼠径・大腿ヘルニア(前方アプローチ) | 22 | 76 | 21 | 119 |
| 鼠径・大腿ヘルニア(腹腔鏡下) | 57 | 16 | 70 | 143 |
| 臍ヘルニア | 6 | 5 | 6 | 17 |
| 腹壁瘢痕ヘルニア | 23 | 18 | 13 | 54 |
| 閉鎖孔ヘルニア | 0 | 1 | 0 | 1 |
| 食道裂孔ヘルニア | 1 | 0 | 2 | 3 |
| 傍ストマヘルニア | 0 | 1 | 0 | 1 |
| 計 | 109 | 117 | 112 | 338 |
腹腔鏡下手術の割合:鼠径・大腿ヘルニアの30%に腹腔鏡手術を実施しています(2025年度実績)。
治療の流れ
受診から退院まで
【STEP 1】
かかりつけ医又は友愛医療センターで受診・診察:外来で診察・超音波検査などを行いヘルニアを診断します。
かかりつけ医からの紹介の際は、診療情報提供書(紹介状)を受け取り、友愛医療センターの受診を予約してください。
【STEP 2】
友愛医療センター・ヘルニアセンターで術前検査・手術説明:血液検査・心電図・胸部X線・CT検査などを実施。友愛医療センターで術前検査・手術説明:血液検査・心電図・胸部X線・CT検査などを実施。担当医から手術の方法・リスクについて詳しく説明します。
【STEP 3】
入院・手術:手術前日に入院。腹腔鏡手術の場合、手術時間は約1〜1.5時間が目安です(症例により異なります)。
【STEP 4】
退院:通常、術後1〜3日程度での退院が可能です(ヘルニアの種類によって異なります。)。
【STEP 5】
術後フォローアップ:退院後1〜2週間(1か月、3か月後)の外来受診で経過を確認します。
入院期間・日常生活再開の目安
※以下はあくまで目安です。術式・患者さんの状態により異なります。担当医にご確認ください。
| 項目 | 腹腔鏡手術 | 開腹手術 |
|---|---|---|
| 入院期間 | 3日 | 3~5日 |
| デスクワーク再開 | 退院後~ | 術後1~2週間 |
| 軽い運動(散歩等) | 術後1~2週間 | 術後2~3週間 |
| 重労働・激しい運動 | 術後2~3週間 | 術後3~4週間 |
| 入浴(湯船) | 退院後~ | 退院後~ |
費用について
ヘルニアの手術は保険適用です。
ヘルニアの手術は健康保険が適用され、治療の内容や入院期間、患者さんの自己負担割合(1割・2割・3割)によって費用が異なります。
※入院日数により費用は変わります。詳細は外来受診時にお問い合わせください。
高額療養費制度のご案内
1か月の医療費(自己負担額)が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される「高額療養費制度」を利用できます。収入によって上限額が異なりますので、ご加入の健康保険組合・国民健康保険の窓口または当院の医療費相談窓口にお問い合わせください。ご加入の健康保険組合・国民健康保険から限度額適用認定証を事前に取得することで、窓口での支払いを上限額に抑えることもできます。
スタッフ紹介
準備中です。
受診・ご予約方法
外来日・担当医
お腹のヘルニア外来は以下の曜日に開設しています。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | 大久保 | 仲地 | 外来担当医 | 仲地 | 外来担当医 | 外来担当医 |
| 午後 | 大久保 |
紹介状(診療情報提供書)について
初めてご受診される方は、かかりつけ医からの紹介状(診療情報提供書)をお持ちいただくとスムーズです。紹介状がない場合でも受診可能ですが、特定機能病院等の選定療養費(初診加算)7,700円(税込)がかかることがあります。
ご予約方法
紹介患者さん:かかりつけ医から地域連携室へFAXまたはお電話にてご紹介ください。
地域連携室 TEL:098-850-3811(代表) / FAX:098-852-2152(地連直通)
紹介状なしの方:予約センター TEL:098-850-3988にお電話ください。
アクセス
友愛医療センター
〒901-0224 沖縄県豊見城市字与根50番地212
https://ymc.yuuai.or.jp/about/access/
医療機関の皆さまへ(紹介元の先生方へ)
先生方から患者さんをご紹介いただける場合には、ぜひ友愛医療センター「お腹のヘルニアセンター」をご活用ください。
ご紹介の流れ(要確認)
- 地域連携室へお電話またはFAXにてご連絡ください。
- 診療情報提供書(紹介状)・検査データ・画像データをご用意いただければ、よりスムーズに対応できます。
- 原則として予約制での受け入れとなりますが、嵌頓など緊急の場合はお電話にてご相談ください。
- 詳しい情報はこちらからご確認ください。
地域連携室 TEL:098-850-3811(代表) / FAX:098-852-2152(地連直通)
ご紹介に関する詳しい情報はこちら
よくあるご質問(FAQ)
手術の痛みはどのくらいですか?
腹腔鏡手術では術後の痛みは軽度であることが多く、多くの患者さんは「思ったより楽だった」とおっしゃいます。術後の痛みに対しては鎮痛薬で対応しますので、遠慮なくスタッフにお申し出ください。
傷あとは目立ちますか?
腹腔鏡手術では5~15mm程度の小さな傷が1~3か所残ります。傷跡は時間とともに目立ちにくくなります。
ヘルニアは再発しますか?
メッシュ(人工補強材)を用いた現在の術式では再発率は1~3%程度と低くなっています。ただし、高度肥満・喫煙・慢性的な腹圧上昇などは再発リスクを高める要因となるため、術後の生活習慣にも気をつけていただくことが重要です。
日帰り手術はできますか?
当院では基本的に対応していません。
仕事はいつから再開できますか?
デスクワーク中心のお仕事であれば、痛みの状況次第ですが退院直後から復帰可能です。重い荷物を持つ肉体労働の場合は術式次第で2週間程度かかることがあります。担当医とご相談下さい。
高齢でも手術を受けられますか?
年齢よりも全身状態・心肺機能を重視して判断しますので、80代・90代の患者さんへの手術実績もあります。局所麻酔での手術も可能なため、全身麻酔が難しい方もご相談ください。
紹介状(診療情報提供書)がなくても受診できますか?
紹介状(診療情報提供書)なしでも受診は可能です。ただし、初診時に「特定機能病院等選定療養費(初診加算)」がかかる場合があります(7,700円、税込)。なお、他院から緊急のご紹介で紹介状が間に合わなかった場合は、後日提出していただければ、選定療養費はかかりません。
子どものヘルニアも診てもらえますか?
当センターでは成人(中学生以上を目安)のヘルニアを対象としており、小児ヘルニアは診察の対象外となります。小児のヘルニアについては小児科・小児外科専門施設へご紹介いたします。